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魔幻小说:《伯爵与妖精》卷一第五章5.4

时间:2011-09-22 13:58:43  来源:可可日语  作者:ookami

「リディア!」
 呼んだのは、聞き覚えのある声だった。こちらに駆け寄ってこようとしているのは、リディアの父だ。
「父さま! どうしてここに」
「おまえが誘拐されたと聞いて……」
 父に歩み寄ろうとしたリディアの腕を、しかしエドガーがつかんで止めた。
「き、君が誘拐犯か? リディアを離せ」
「はじめまして、カールトンさん。お嬢さんには大変お世話になっています」
 エドガーは平然と、ありふれた挨拶(あいさつ)を返す。
「何が目当てだ、私にできることなら何でもする。娘に手を出さないでくれ」
「ご心配をかけてもうしわけありません。でも僕は真剣なんです。どうかお父さん、お嬢さんを僕にください」
「な、何言ってんのよ!」
 しかし彼は、ぐいとリディアの肩を抱く。
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「本当ならきちんと、交際のお許しをいただくべきでした。でも彼女に夢中になって、すっかりまわりが見えなくなってしまったんです」
「は」
「彼女がそばにいて、この愛の熱を少しでも冷ましてくれなければ、きっと僕はすぐに死んでしまいます」
 いったい、恥ずかしげもなくこんなせりふを口にして、許される人間がそうそういるだろうか?
「ま、待ってくれ……」
 リディアの父は、娘でさえこれまで見たこともないほど取り乱した様子で、口をぱくぱくさせた。
「……本当に、こんなおてんばがほしいのかね?」
「父さま!」
「僕にとっては最高の女の子です。彼女しか、深い愛で僕を救ってくれる人はいないでしょう」
「ちょっとエドガー、それ意味が違うでしょう!」
 彼を救うのは、もちろんリディアの愛ではなく、宝剣を見つける能力だ。
「それは、リディアは最高の娘に間違いない。しかし君ね、感情のままに未婚の娘を連れまわすのは、男として無責任だと思わないのかね」
 この状況が、誘拐犯との対峙(たいじ)ではなく、娘に焦(こ)がれる青年との対面だと、カールトンは頭を切りかえつつあるらしかった。
「そうですね。反省しています」
「だから、違うでしょ!」
「ジョン、彼女を離すんだ!」
 再び現れたハスクリーが、リディアにはこの混乱の救い主に見えた。もっともそれは気のせいで、ハスクリーはこちらに向けてピストルをかまえていた。

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