魔幻小说:《伯爵与妖精》卷一第五章5.7
近くに別の通路があるのか、下り階段のきしむ音だ。やがてそばにあるドアの方へ、気配が動く。
レイヴンが音も立てずに動き、ドアのそばへ身を寄せた。エドガーはリディアを壁際へ引き寄せる。
ドアノブがかすかに動いたそのとき、レイヴンがドアを蹴り開けた。隣室(りんしつ)へすべり込むようにして、人影につかみかかる。ぐいと相手の首に腕をまわす。
「レイヴン、わたしよ」
ナイフを突き立てる寸前だった。それがアーミンだと気づいた彼は、ゆるりと腕をほどいた。
エドガーがほっと力を抜く。
「アーミン、逃げ出せたのか」
「エドガーさま、もうしわけありませんでした」
「いや、無事ならいい」
「あの、父は……?」
「わたしだけ別室に連れ出されたんです。その隙(すき)にこうして。ですから、お父さまはまだとらわれの身だと思います」
すまなさそうにそう言って、彼女はエドガーに歩み寄った。
「ゴッサムたちがじきに追ってきます。この狭い通路で見つかったら、動きが取れません。隠れやすい場所へ移動した方がいいと思います」
「しかしこれが、宝剣の隠し場所へ通じる道だ。このまま先を急ごう」
エドガーは、今さら遠回りするつもりはないようだった。リディアに先を促(うなが)し、歩き始める。
「連中を宝剣の場所まで案内してしまうだけです」
「そうなる前に、手に入れる」
アーミンが落胆(らくたん)したように見えたのは、宝剣の場所へエドガーを近づけたくない気持ちからだったのだろう。けれどそれ以上、彼女はエドガーに意見することはなかった。
「姉さん、らしくないな」
レイヴンがそっと声をかけたのが、リディアの耳にも届いた。
「ええそうね、つかまってしまうなんて」
「そうじゃない」
レイヴンはそう言ったきり口をつぐんでしまった。
アーミンはリディアに、重要なことを話してしまった。その心境の変化を、弟だけは感じ取っているのだろうか。
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