魔幻小说:《伯爵与妖精》卷一第七章7.3
いつのまにかひたひたと、水がリディアの足元に忍び寄っていた。
「よかろう。星はやる。ただしそなたとひきかえだ。フェアリードクターの魂は、ただの人間より価値がある」
メロウにとって重要なのは、伯爵との約束をたがえないこと。リディアはそこに付け入って、エドガーをむりやり伯爵(はくしゃく)として認めさせるつもりだったが、足元をすくわれた。
あくまでメロウは、宝石の星とひきかえにすべきものを、人の魂だとするつもりだ。
エドガーを伯爵にする利点はあっても、新たに星を与えるという約束はどこにもないからできないというのだ。
「待ってくれ」
そのとき、エドガーが、リディアの前に進み出た。
「きみたちが結んだ契約(けいやく)の、本当の意味は、伯爵の後継者(こうけいしゃ)が持つ星を受け取って、サファイアに刻むことなんだよね。なら、僕の星とひきかえてくれればいい」
何を言い出すのかと、リディアはあせる。
「あ……あなた星なんか持ってないじゃない」
「持ってるよ、ここに」
おどけたようにエドガーは舌を出し、クロスの焼き印を見せた。
星というには痛々しくて、リディアは正視できなかった。
「青騎士伯爵の星じゃないけれど、ようは約束を破れないというメンツの問題なんだろう。なら、形式さえ整っていればいいじゃないか。これなら解釈を変える必要もなく、きみたちは約束を言葉どおりに実行するだけだ」
「おもしろいことを言う」
「最初にリディアが言ったように、きみたちがこの島に暮らす権利を守る。むろん、きみたちが僕を認めてくれるならば」
毅然(きぜん)と言うエドガーは、かつてメロウと対峙(たいじ)しただろう青騎士|卿(きょう)を彷彿(ほうふつ)とさせた。
メロウが迷ったように見えたのは、ほんのわずかの間だった。
ぬかるみ、沈みつつあったリディアの足元から、さっと水が引く。
「四方星(テトラスター)か。まあよかろう、スターサファイアは六方星(ペンタスター)であるはずだが、〝メロウの星〟がそうだと決まっているわけではないからな」
風、いや波のうねりが、リディアとエドガーを取り巻いた。
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