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《伯爵与妖精》卷二第二章魔兽的妖精之卵2.1

时间:2011-10-17 13:46:04  来源:可可日语  作者:ookami

              伯爵と妖精 二 あまい罠には気をつけて
   ボギービーストの妖精卵(ようせいたまご)

 あやしい。
 どう考えてもあやしいじゃない。
 リディアは自宅のキッチンで、ビスケットが焼けるのを待ちながらも、苛立(いらだ)ちをおさえきれずにいた。
 エドガーへの疑いが、もしかしたら現実味をおびつつあるとわかったのは、あとでニコに聞かされた話からだった。
 ニコが言うには、エドガーはドーリス·ウォルポール男爵(だんしゃく)令嬢(れいじょう)と、彼女がいなくなった日に会っている。馬車に乗せていた、というのがたまたまだとしても、マール夫人はそんなことは知らないようだったし、たぶんエドガーも話していない。
「まさか、あいつがさらったの?」
 霧男(フォグマン)のことなど吹き込んで、怯(おび)えさせ、妖精がかかわっているように思わせておいて連れ去ったとか。
 いくら彼がもと犯罪者でも……、と考えながらもわからなくなる。
「でも、何のために?」
「売っぱらってんだよ、若くてきれいな娘は金になるってことさ」
 ニコが調理台の上に姿を現す。父秘蔵のスコッチの瓶(びん)をかかえながら。
「お金ねえ、それはないと思うんだけど」
 たぶん、お金には不自由していないみたいだし、伯爵(はくしゃく)としてこの英国で、名前も地位も手に入れた今、彼が再び犯罪に手を染める目的がお金だというのは、リスクが大きすぎて考えにくい。
 今の彼に、そんな危ない橋を渡る理由などないはずだ。
 しかし不審(ふしん)な点が多い。
「だってなあ、あいつが変装してちょくちょく出かけてるのって、港や下町の酒場だぜ。犯罪の匂いがするだろ。あとは高級カジノのほうにも出入りしてるが、単なるギャンブル好きっていうにはあやしい気がするんだよな。あんたに令嬢の行方(ゆくえ)を調べさせるのは、人の目をそらすためだって」
 ニコが開けようとしたスコッチの瓶を、リディアはさっと取りあげた。
「もう、父さまの楽しみを奪わないの」
 舌打ちしつつ、ニコはリディアの方に紙切れを放り投げた。
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「見ろよこれ、あいつの部屋で見つけたんだぞ」
 拾い上げれば、タブロイド紙の切り抜きだ。
「ロンドンの霧に消えた子供たち……。人身(じんしん)売買組織が暗躍(あんやく)か」

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