双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(13)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅰ(13)
とは、いかないのがこのオトン。その新聞社も即時撤退。ここまでくると、なにかを早々にやめてしまうことにも一本筋が通って見える。その後、何度となくばあちゃんはオトンの仕事の話になるたびに「あん時、新聞社やめんかったら、今頃はあんた、もう立派なもんになっとるよ。なんでやめたかねぇ。ほんに歯痒いでならんがね」と遠い眼をしながら述懐していた。
そして、結局、オトンと結婚したのは小さな広告代理店に勤めていた頃だったようだ。
オカンの方は、筑豊の炭坑町に生まれた。九人兄妹の四番目で実家は呉服屋だった。地元の高校を卒業し、その後、どこかの会社に勤めたようなことは言っていた気もするが、今、考えてみれば、ボクはオカンが学校を卒業してから、結婚するまでの十数年のことをほとんど知らない。ずっと実家にいたのか、どこか違う所にいたのかも知らない。
でも、オカンの見せてくれた若い頃の写真を見て推して知るべしというか、当時を想像させる一枚があった。
セピア色に褪せた写真に写っているオカンは白地に大きな水玉のついたワンピースを着ていた。髪にはスカートを巻いてサングラスをかけている。そして、片手には煙草を二本の指で挟んで白いコンバーチブルのスポーツカーのボンネットの上に座ってポーズをキメていた。
こういう感じか……。やけに説得力のある写真だった。
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