双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(40)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅱ(15)
東京の大金持のような際立った存在がいなければ、あとは団栗の背比べのようなもので、誰が食うに困っているでもないのなら、必要なものだけあれば貧しくは感じない。
しかし、東京にいると「必要」なものだけしか持っていない者は、貧しい者になる。東京では「必要以上」のものを持って、初めて一般的な庶民であり、「必要過剰」な財を手にして初めて、豊かなる者になる。
"貧乏でも満足している人間は金持ち、それも非常な金持です。だが、金持ちでも、いつ貧乏になるかとびくついている人間は冬枯れのようなものです"。
「オセロー」の中に登場するそんな台詞も東京の舞台で耳にすると、観念的で平板な言葉にしか感じない。しかし、今、こうしてあの頃の、その町の人々を思い出すと、確かにそのとおりだと思えてしまう。
必要以上を持っている東京の住人は、それでも自分のことを「貧しい」と決め込んでいるが、あの町で暮らしていた人々、子供たち、階段の上に座って原価の酒を飲んでいた人々が自分たちのことを「貧しい」と蔑んでいただろうか?金がない、仕事がないと悩(なや)んでいたかもしれないが、自らを「貧しい」と感じてたようにはまるで思えない。
なぜなら、貧しさたる気配(けはい)が、そこにはまるで漂(ただよ)っていなかったからである。
ポケットの中に納められた百円は貧しくはないが、ローンで買ったルイ・ウィトンの札入れにある千円の全財産は悲しいほどに貧しい。
都市開発のファッションビルに入った中途半端なレストランに行列してまで行き、中途半端な食事と中途半端なワインを飲む。
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