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双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(85)

时间:2012-04-16 15:36:10  来源:可可日语  作者:dodofly

东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。

Ⅲ(14)

休みの日に汽車に乗って小倉へ向かい、駅で待ち合わせをした。
その時、オトンに会ったのは久しぶりだった。一年近くあっていなかったと思う。中学に入って、一緒に住む話がお流れになってから、一度も会ってない。
小倉駅から直接、電気屋へ連れて行ってくれるとばかり思っていたら、まず喫茶店に入ってコーヒーを飲み、タクシーを拾って、商店街から、街の外れに車は走り出した。

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どこに行くのだろうかと心配になっていると、タクシーは商店のまるでない所で止まり、オトンは大きなマンションの中に入って行った。エレベーターに乗り、手慣れた仕草(しぐさ)でボタンを押した。
鍵束から鍵を探し出し、鉄のドアに差し込むと、部屋の中からこもった空気が溢れてきた。
ピンクのカーペットに赤いスリッパ。見るからに女の人の部屋だった。3DKくらいの部屋には家財道具がすべて揃えてあったが、ボクはすぐ感じた。
この部屋には、もう、誰も住んでいないということを。室内の空気は澱(よど)でいる。カーテンも窓も、しばらく開かれた気配(けはい)がない。水道もしばらく水を流していいないらしく、ステンレスのシンクは白く粉を付けていた。
オトンは煙草を喫いながら、部屋をぼんやり眺めていた。そしてボクに言った。
「好きなもん、持っていけ」
色んなものがたくさんあったけど、あまり触れる気にならなかった。
「テレビだけで、いいよ……」
十四型の赤いテレビだった。このテレビを観ていた人。ここに住んでいた女の人はもう、どこに行ってしまったのだろう。
オトンの切ない表情がボクにもわかった。オトンの身勝手な悲しみ、そこは男同士の妙な感覚というのか、オカンには悪いけど、その淋しさがなんとなくボクにはわかった。
「それだけでいいんか……」
「うん……」
「そしたら行くか……」

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