双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(148)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
Ⅴ(18)
このままでは国分寺のアパートを更新しなければいけなくなる。更新料を払うくらいなら、引越し代に充てたい。
高田馬場に老女がひとりで営んでいる小さな不動産があった。そこに丁度いい間取りの物件があった。内見も済ませている。中野雑居ビル、八畳のリビングと四畳半が振り分けで二部屋。風呂も便所もある。築三十年以上のビルらしく家賃は八万五千円と格安だった。ふたりで住めば四万二千円ずつでいい。
老女はお茶と茶菓子を出してくれ、丁寧に接客してくれる。しかし、またこれで無職だと言えば、貸してはくれないだろう。例によって仕事のことを聞かれた。
「おつとめは、どちら?」
「出版社です」
ボクはまっすぐに言い切ると、バカボンがびっくりした顔でボクを見た。
「まあ、それはそれは。どちらの出版社かしらねぇ?」
「はい、小さな会社ですが、講談社と言います」
「あら、それだったら私でもわかる。立派なところですねぇ」
その後は、このモヒカンも実は親戚の子供で、一時的に同居しますが、いずれ留学すると申しておりますし……とか、あらゆる作り話が流れるように出て来て、老女を安心させていった。早速、老女は大家に連絡を取り、まぁ大丈夫そうですよということになった。
そして申込書(もうしこみしょ)の書類を出された時、バカボンが手に丸めて握りしていた『少年マガジン』を取り上げ、背中の奥付を見ながら、会社の住所、大代表の電話番号を書き込んで、詐欺行為は終了したのである。
「大丈夫。家賃さえ滞納しなければ、ことは明るみにはならんだろう」とバカボンに宣言したのも束の間、早速、最初の家賃から遅れてしまった。
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