双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(166)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
「どこに行くって……」
wが不安そうに尋ねてきた。
「たぶん、小倉のクラブ……」
オカンがボクらの上着を出しながら言う。
「せっかくやけん、小倉の街で遊んできたらよかろう」
一軒目のクラブにはオトンの友達、スキンヘッドのAさんが待っていた。オトンはボクを飲みに連れて行く時も、自分の友達を誘うことが多かった。ボクの話や、東京でのことを、友達に聞いてもらって、それを横で黙って聞き耳を立てている。
店を変るたびに「こちらは息子の仕事先のお世話になっとる友達」とママに紹介する。wもなにがなんだかわからないまま、オトンに話しかけているようだった。
店からに、歩いて移動する途中、繁華街の貸スタジオから出てきたパンクの少年のギターケースがAさんの肩に当たった。少年たちはそれに気ついていないようで、そのまま立ち去ろうとしたがAさんはゆっくりと少年たちを追いかけて行った。
「キサマ!どこ見て歩きよるんか!!」
スプレーで立てた少年の髪の毛よりも背が高く、がっちりした体型でスキンのAさんに少年たちは固まったように顔だけを何度も下げた。ギターがぶつかったこと以外の説教もしばらくした後、最後は、バンド頑張れよみたいな台詞を少年に掛けて、何事もなかったように次の店へ歩き出した。
オトンはなんの興味もない顔でそれを見送り同じように歩き出した。
wは少年たちと同じように固まった様子で一部始終を眺めていたが、先を歩くオトンの背中を指差して言った。
「オマエのお父さん、ロックンローラーなの?」
次の店ではAさんがwの苗字を聞いて、それなら小倉に同じ名前の有名な三兄弟がおったんよという話になった。
「兄貴も、二番目も、一番下の弟も、それ悪かったんやが、下の弟が刑務所に入っとった時に、ヘリコプターで刑務所の上空を飛んでからよ、兄貴たちがヘリからムショの弟にまっとけよー!助けちゃるけんのー!ってメガホンで叫んだっちゅうて、おもしろい三兄弟がおったんよ。それとアンタは同じ名前や」
Aさんの恐ろしさにも慣れて、だいぶ楽しくなった様子のwがそんな話でAさんと盛り上がっている時に、オトンはボクに言った。
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