双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(172)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
ボクにとっての初めての海外旅行が"オカンとおばちゃんたちと行くハワイ四泊六日の旅"だとは考えてもいなかった。
楽しいのか、そのハワイ?いや、もはやそういう問題ではない。なにしろ、むこうは「冥土の土産」と言う殺し文句を打ち出してきているのだ。断る術がない。
急いでバスポートの申請に行った。オカンもおばちゃんたちと一緒に役所へ出掛けてすでに手元にあるらしい。
姉妹では何度も国内旅行に出かけてはいるが、海外はもちろん初めてで、おばちゃんたちは口々に、「最初で最後やねぇ」と言う。
一番上のノブエおばさん、二番目のえみ子おばさん、妹のブーブおばちゃん。そして、えみ子おばさんの旦那さんの本田先生。そのふたりの息子である修さん。
修さんはつまりボクの従兄弟にあたるのだが、だいぶボクよりも年上になるため、そんなには一緒に遊んだ記憶もない。このハワイ旅行は添乗員の仕事をしている修さんが段取りをして、添乗もするらしい。そうでなければ、ボクらは出国することすらできないだろう。
どうせ行くならという発想と年寄りばかりなのでという問題が重なって、このハワイ旅行は高額でゴージャスなプランが組まれた。
借金は減っていたが、銀行の残高はいつも余裕があったためしがない。ありったけの金を引き出し、少しはまたどこかで工面して、オカン途ボクの旅行代金を用意した。
九三年の秋。オカンが甲状腺ガンの手術をした年。オカン六十二歳。ボクが三十歳になる直前。
ボクたち親子は生まれて初めての海外旅行を一緒に行った。
親子で行く、最初で最後の海外旅行に旅立った。
「九大の先生が、首のシワに沿って切りましたから、傷跡が目立ちませんよって言うんよ」
オカンはそう言いながら笑っていたけど、手術の跡が気になるらしく、何国に行くというのに、スカーフを首に巻いていた。
「フランケンみたいや」
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