双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(191)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
お茶にも食事もまるで手をつけない女学生を見て、オカンは何度も「遠慮しないでくださいね」と言うのだが、その様子を黙って見ているボクからは、それは決して遠慮なのではないことが見て取れる。奇異であり迷惑なのである。帰り際に「よかったら包みますから、持って帰ってください」と食い下がるオカンに「いや、本当に結構です」と女学生。「遠慮しとるんやろうかねぇ……」とオカンは冷たくなった料理を淋しそうに見ていた。
ボクは温かい料理が手も付けられずに冷めていく姿に激しく怒りと物悲しさを感じる。迷惑かもしれないし、口に合わないと思っていてもいい。ひとつまみだけ口に運んで後は残してくれてもいい。でも、それを作ってくれた人の気持ちも汲めず、汚(きたな)いもののように、まるでそこにないもののようにされることには強く憤りを感じる。
こんな時はいつも下北沢に住んでいるアシスタントのホセに電話をする。腹ペコチャンピオンのホセはバイクで十分もしないうちに駆けつけてくる。うちの料理は作ったもの残ったもの、すべてホセが食べることになっていた。
「こんにちはー。いつもすみません」
「ホセ。だいぶ冷えてるけど、それ食ってよ。マスコミ志望のヤリマンが残したもんだけど」
「あんた、なんでそんなこと言うんかね」
「まぁいいじゃないですか。うわ、めちゃくちゃウマそうッスねー。いただきまーす」
車を運転するようになって、どんどん東京の景気が好きになっていった。首都高速から見えるビルの波。西新宿、都庁にかけての近未来の風景。多摩川の川沿い。皇居にかかる霧。自分は一生車の運転とかはできないんだろうなあと考えていた頃から数年。
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