双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(204)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
しばらくして、ビルの隣にあるコンビニに行くと、ボクはそこでおもしろい光景を見た。ボクが毎度のように雑誌棚の前でエロ本を立ち読みしていると、そこにオトンとオカンが連れてだって現れたのである。
ボクはなぜだかとっさにエロ本で顔を隠し、ふたりの行き方を目で追った。
オトンがかごを持ち、オカンが寄り添いながら菓子の陳列棚に向かっている。商品を手に取りなにやら話をしながら、せんべいをかごに入れ、ペットボトルの麦茶を買っていた。
ボクがあまり見たことのない、夫婦らしい姿。ボクの父親と母親が本当の夫婦なのだなと思える記憶に少ない情景だった。
その時のオカンの顔は忘れもしない。
オカンは、ガンのくせして、とっても楽しそうだった。
オカンの手術より数ヶ月前。
夜、食卓で遅い夕飯をひとりで食べていると、一本の電話が鳴った。テレビを観ていたオカンがそれを受け取ると、どうやらそれは姉妹からのいつもの電話のようだったので、さして気にせずにいると、突然、オカンが大声を上げて電話口で泣き出した。
子供のように嗚咽しながら何度も繰り返していた。
「なんで、そんなことするかねぇ……」
箸を止めて、オカンが受話器を置くのを見張った。
三十分ほどその状態が続き、電話を切った途端に「どうしたん……?」と声をかけたものの、オカンは更に大声を上げて、突っ伏せして泣いた。
鎌倉のおじさんが亡くなったらしい。自殺だったようだ。
人の死は年功列ではない。姉のオカンが病の中で命をむさぼろうと必死になっている時にも、健康だった弟の命が突如消えることもある。
身内だけの葬儀が行われる。しかし、その葬儀にオカンは帰らないと言って泣いた。
「そんな、自分で死んでしまうようなことするんやったら、あたしはかえらん……」
物腰の柔らかい優しいおじさんだった。いつも帰って来た時には鳩サブレをお土産にくれた。晩年は筑豊のばあちゃんの家に住み、オカンもつい数年前までは、そこにおじさん夫婦と同居させてもらっていたのだ。
ボクには原因はわからない。身体の具合がおもわしくないと聞いたこともあるが、特に病気だという話も知らなかった。
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