双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(207)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
「あぁ、東京タワーか」
オカンは鏡に映る東京タワーを指でなぞりながら"きれいやねぇ"という微笑を浮かべた。
東京タワーは鏡に映っても同じ形でよかった。オトンも窓からそれを眺めていた。
砂袋で頭を固定されたオカンの見られるものは、天井と鏡に映った東京タワーだけだ。
鏡に映った東京タワーを見ながら微笑んでいるオカン。窓から直接それを見ているオトン。そして、そのふたりと、ふたつの東京タワーを一緒に見ているボク。
なぜか、ボクたちは今、ここにいる。バラバラに暮らした三人が、まるで東京タワーに引き寄せられたかのように、ここにいた。
二ヶ月後、オカンは退院した。
首の中心には直径二センチほどのプラスチック製の筒が出ている。しばらくは、この空気穴から呼吸をする。
その穴を覗くと喉の中を見える。ボクは毎日、何度もペンライトでその中を覗いた。
そこに溜まる痰と血のかたまりをピンセットや綿棒を使って取り除くのがボクの役目だ。
「オカン、取ろうか?」
そう呼ぶと、のど笛(ふえ)をひゅうひゅう鳴らしながら仰(あお)向けになる。まめに取り除いておかないと、それがまた呼吸困難の原因になるのだ。
初めはボクも気持ち悪かったが、次第に慣れてくると痰が少なくては物足らなさを感じるようになった。
筒の部分から、少しは声も出せる。扇風機(せんぷき)に向かって声を出したような音が、空気漏られしながらかすかに聞こえる。
長く会話する時はメモ帳を使ったが、短い言葉なら人に伝わるようになった。
「ダースベイダーみたい」
オカンはたぶんダースベイダーを知らない。なんでもいい。こうやって生きていることがなによりもかえがたいことだ。
喉に雑菌が入ることを注意するように言われている。オカンはあまり出歩かなくなった。
買い物に行く時はスカーフを首に巻き、菌が入らぬよう、人から見られぬように気をつけていた。とにかく、風邪を引いてはいけない。
T先生はなにかあったらすぐにと携帯の番号を教えてくれていたが、術後はいたって順調で、数ヶ月後には筒状の弁も取り外せるようになった。
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