双语阅读:《哈利波特与魔法石》第7章分院帽5
ダーズリー家では飢え死にこそしなかったが、一度もお腹いっぱい食べさせてはもらえなかった。ハリーが食べたいものは、たとえ食べ過ぎて気持が悪くなっても、みんなダドリーが取り上げてしまった。ハリーは、ハッカ入りキャンディ以外は全部少しずつお皿に取って食べはじめた。どれもこれもおいしかった。
「おいしそうですね」
ハリーがステーキを切っていると、ひだ襟服のゴーストが悲しげに言った。
「食べられないの?」
「かれこれ四百年、食べておりません。もちろん食べる必要はないのですが、でもなつかしくて。まだ自己紹介しておりませんでしたね。ニコラス·ド·ミムジーーポーピントン卿といいます。お見知りおきを。グリフィンドール塔に住むゴーストです」
「僕、君のこと知ってる!」ロンが突然口をはさんだ。
「兄さんたちから君のこと聞いてるよ。『ほとんど首無しニック』だ!」
「むしろ、呼んでいただくのであれば、ニコラス·ド·ミムジー……」
とゴーストがあらたまった調子で言いかけたが、黄土色の髪のシェーマス·フィネガンが割り込んできた。
「ほとんど首無し?どうしてほとんど首無しになれるの?」
ニコラス卿は会話がどうも自分の思う方向には進んでいかないので、ひどく気に障ったようだった。
「ほら、このとおり」
ニコラス卿は腹立たしげに自分の左耳をつかみ引っ張った。頭が首からグラッとはずれ、蝶番で開くように肩の上に落ちた。誰かが首を切ろうとして、やりそこねたらしい。生徒たちが驚くので「ほとんど首無しニック」はうれしそうな顔をして頭をヒョイと元に戻し、咳払いをしてからこう言った。
「さて、グリフィンドール新入生諸君、今年こそ寮対抗優勝カップを獲得できるよう頑張ってくださるでしょうな?グリフィンドールがこんなに長い間負け続けたことはない。スリザリンが六年連続で寮杯を取っているのですぞ!『血みどろ男爵』はもう鼻持ちならない状態です……スリザリンのゴーストですがね」
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