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魔幻小说:《伯爵与妖精》卷一 第一章1.4

时间:2011-09-02 14:38:23  来源:可可日语  作者:ookami

「そうなんだ。けれど、先祖が持っていた境界を行き来する能力も、妖精と語らう言葉も、世代を経て失われていった。僕が受け継いだのは、伯爵の称号だけ。父も祖父も、その前の世代も世界中を旅しながら外国で暮らしてきた。ようやく僕は英国に戻ってきたけれど、女王陛下(へいか)にご挨拶(あいさつ)しようにも、青騎士伯爵を継承(けいしょう)するあかしの、エドワード一世に贈られた宝剣がない」
 言いながら、エドガーがさらに距離をつめるものだから、リディアは少しずつ後ずさる。
「ほ、宝剣?」
「三百年ほど前の当主、ジュリアス?アシェンバートは、自分の領地のどこかにそれを隠したのち、長い旅に出たまま異国で死んだ。隠し場所は謎めいた散文で記され、妖精が守っているとか、妖精に関するいろいろな手順があって、もはや不思議な力を失った僕には理解しきれない」
「領地って、妖精国?」
「人間の住む土地にも、領地や城はあるよ。爵位とともに拝領したもの、手柄を立てて与えられたもの、譲り受けたもの」
「それで、フェアリードクターを……」
「けれども問題はそれだけじゃない。宝剣を飾っている、大粒のスターサファイア、それをねらっている者がいる」
「じゃあ、それがあのハスクリーさんなの?」
「そう、きみをさらおうとしたあいつ。奴は宝剣が爵位を証明することは知らないが、同じ宝をねらうものとして僕に殺意を持っている。僕が死ねば伯爵家は絶える。奪われる前に見つけ、伯爵家の地位をはっきりさせなければならない。リディア、僕に力を貸してくれ」
 また一歩、下がらねばならなくなったリディアは、足元に段差を感じ、不意にバランスを崩した。
 倒れそうになる。階段だと気づく。
 そのときさっと、エドガーの腕が背中にまわされた。力強くささえ、引き寄せる。リディアは反射的に、彼に抱きつく。
「気をつけて。暗いからね」
 吐息(といき)のようなささやき。
 父親以外の男性と、こんなに密着したことはない。
「は、離してよ」
「このままじゃ落ちるよ」
 リディアが彼にしがみつくしかないのを、おもしろがっているとしか思えなかった。
「……いいかげんにして!」
 ダンスでもするように軽やかに、リディアをかかえたまま身をひるがえす。階段の手前まで彼女を引き戻すと、少々残念そうに彼は腕をほどいた。
 にらみつけるリディアに、不敵な笑みを向ける。きっと、思い通りにならない女の子はいないと思っている。
 なんだか腹が立つ。
「あたし、あなたが青騎士卿の後継者(こうけいしゃ)だって信じたわけじゃないの。ニセモノを手伝って、青騎士卿の宝剣を盗む手伝いをするわけにいかないわ。だから」
「断る? それできみは、ここから泳いで帰るかい?」\
「海に突き落とすとでも言うの?」
 不安になって、リディアは急いで、手すりと彼からさらに離れた。
「まさか。僕はそんな極悪人じゃないよ。ただね、忠告しておくよ。無一文(むいちもん)では、次の港から家へ帰ることもロンドンへ向かうことも難しい。それに、ハスクリーたちは今、きみを血眼(ちまなこ)になって捜しているよ」
 つまり、リディアに選択の余地はないということだ。
 おもいきり脅(おど)されている。じゅうぶん極悪人じゃないのと思う。
 彼は、上着の内ポケットから鍵を取りだした。
「きみの船室。僕と同じフロアの向かい側だ。自由に使ってくれ」
 それを彼女の手に押しつけ、薄暗い通路へと消えた。

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