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魔幻小说:《伯爵与妖精》卷一第五章5.1

时间:2011-09-21 13:31:22  来源:可可日语  作者:ookami

   第五章 青騎士伯爵とメロウの島

 マナーン島は、海岸沿いに切り立った崖の目立つ島だった。
 海鳥の舞う、淡い緑色をした島影は、こここそ青騎士|卿(きょう)の妖精国、|幸福の島(イプラゼル)なのかもしれないと思わせるほど神秘的にも見えたが、周りを囲む荒海に、リディアはすっかりへたりきっていた。
 マナーン島へ渡るための船は、小さな漁船しかなく、しかも激しくゆれたのだ。
 島の周囲は年中波が荒く、慣れた船乗りでないと危険だという。行き来するのは漁師だけのなかば孤立した島に、ようやくたどり着いた彼らは、船主の勧めで村に一軒しかないという宿(イン)を訪ねたところだった。
「煎(せん)じ薬ですが、船酔いに効きますよ」
 にこやかに彼らを迎えてくれた初老の男性は、宿の主人だというトムキンス氏だ。
「……すみません」
 リディアはなかばぐったりと、長椅子(ながいす)の背もたれに寄りかかりつつ、薬のカップを受け取った。
「それにしても、船酔いはこちらのお嬢(じょう)さんだけですか。はじめてこの島を訪れて、ぴんぴんしているという方がめずらしいですね」
 主人は、エドガーたちに笑顔を向けた。
 どうしてみんな平気なのだろうとリディアは不思議に思う。妖精猫のニコはともかく、エドガーも、レイヴンとアーミンも、今にもひっくり返りそうな波の中、平然としていた。
「そりゃ、あれどころじゃない世間の荒波をくぐってきてるからだろ」
 ニコがリディアのそばでささやいた。
「ニコ、おもしろくないわよ」
「元気じゃねーの」
 苦い薬を、どうにかのどに流し込む。

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「ところでご亭主(ていしゅ)、この島に古い城があるだろう?」
「はいございます。もしこの宿が窮屈(きゅうくつ)でしたら、向こうをお使いになりますか?」
 エドガーは、警戒するような視線を向けた。
 城といえば、青騎士|伯爵(はくしゃく)の城しかない。彼の目的はもちろん、その城を調べることだが、いきなり城を使ってもいいという亭主の言葉を不審(ふしん)に思ったのだろう。
「その城は、誰でも勝手に使えるのか?」
「まさか。われらの領主の城でございます。ですがサー、こんな辺鄙(へんぴ)な島へわざわざいらっしゃったということは、あなたさまは伯爵家の後継者(こうけいしゃ)なのでございましょう?」
 突然核心をつかれ、みんなして黙り込んだが、エドガーひとりがにやりと笑った。
「なるほど、青騎士伯爵と称して、いったいどれほどのにせ者がこの島に現れたことか。そういう来客には慣れきっているわけだ」
「ちなみに、我が家は代々伯爵家の執事(しつじ)、もしもあなたさまが本物だと判明したあかつきには、お仕えすることとなりますのでどうぞよろしく」
 言って宿の主人は、上着のポケットから鍵を取りだした。

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