您现在的位置:首页 > 双语阅读 > 小说与诗集 > 伯爵与妖精 > 正文

魔幻小说:《伯爵与妖精》卷一第6章6.1

时间:2011-09-27 13:36:14  来源:可可日语  作者:ookami

    ふたつの鍵(かぎ)と犠牲(ぎせい)の血

「エドガーさま、お許しください」
 ひざまずくレイヴンは、いつもの淡々(たんたん)とした様子に見えた。
 けれども、不可抗力(ふかこうりょく)でアーミンを助けられなかった、そういう意味の謝罪ではないことは、リディアでもわかっていた。
 彼は姉のために、手を離したのだ。
 死を選んだ姉のために、主人の命(めい)に背(そむ)いた。
 精霊をエドガーにゆだねているというレイヴンが、命令に背くのはよほどの覚悟の末だろう。
「許す」
 だからエドガーは、静かにそう言う。
 座り込んだままひざをかかえ、金の髪に指をうずめた彼は、激しい憤(いきどお)りをどうにか押さえ込んでいるように見えた。
 それはたぶん、自分に向けた怒りだ。
「……おまえにあやまらなければならないのは僕の方だ。アーミンの苦しみを受けとめてやれなかった。悩んでいる様子はあったのに」
 吐息(といき)のように、つぶやきがもれる。
 抱いてやれればよかったのに、と。
 昨日の夜のことだと、リディアは直感していた。それと同時に、エドガーがアーミンのことを、幸せになれるよう努めたいと言っていたことを思いだした。
 アーミンの片想い、けれどエドガーが彼女のことを、家族のように思っていたことは、アーミンもわかっていたはずだった。
\
 だからあまりにも、やりきれない結末。
「結局……、いまだに僕もプリンスの奴隷(どれい)だ。あの男がすべてで絶対だった記憶は、容易にほどけるものじゃない。こうして、逃亡を続けている迷宮の先に、出口が見えたと思ったらあいつが待ちかまえているような……。何年たっても、そんな不安が薄れることはなかった。僕でさえそうなんだから、奴の女として過ごしてきたアーミンはもっと、深い傷と恐れや不安を背負っていたはずなんだ」
 自分が自分でなくなり、ただ人形のようになって生きているだけの絶望を、共有する者にしかわからないこと。
 プリンスという男のもとで、彼らがどんなに苦しんできたのか、リディアには想像もできない。けれどアーミンの気持ちは、少しだけならわかる。
 裏切りの奥にある、誰に強要されたものでもなく、支配されることもない彼女だけの切ない本音は、少しはわかるつもりだ。
 リディアを道連れにすれば、エドガーがリディアを殺すことはない。どのみちアーミンは、裏切り者のままエドガーのそばに居続けることはできない。エドガーがプリンスにつかまるまで、でなければ彼女の裏切りが発覚するまでの、つかの間の逃避行(とうひこう)だった。
 いつかは終わるはずの、淡い恋。
 だから今、この場所で、すべてを終わらせようとしたのだ。
 ゆるりと、エドガーは立ちあがった。
「少しだけ時間をくれ。すぐ戻るから」
 建物の方へ入っていく彼の背中は、消えてしまいそうなほど、はかなげに見えた。

上一页 [1] [2] [3] [4] 下一页

相关阅读

无觅相关文章插件,快速提升流量