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魔幻小说:《伯爵与妖精》卷一第六章6.9

时间:2011-10-08 13:32:29  来源:可可日语  作者:ookami

「リディアさん、ハスクリーたちが来ます」
 橋が落ちた部分に、酒蔵(さかぐら)からはずしてきたらしいはしごを渡したのだ。そうしてこちらに渡ってきたゴッサム兄弟が、戸口からなだれ込んでこようとしていた。
 メロウはさっと姿を消す。
 レイヴンが戸口に立ちはだかろうとした。エドガーがいないのに、どうしてだろうと思う。
 大切な主人がメロウに連れ去られた。その原因であるリディアを恨(うら)まないのだろうか。
 それよりも、エドガーが切れなかったリディアを、自分も守らなければならないとでも思っているかのようだった。
 レイヴンを目の前に、ハスクリーたちは立ち止まった、しかし強気な言葉を吐く。
「おい、剣をよこせ。さもないとおまえの親父が……」
 そのときニコが、急に姿を現した。
 ハスクリーの頭のうえに、ひょいと飛び乗る。彼の帽子を、おもいきり踏みつける。
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「ニコ、危ないわ!」
「チビども、遅いぞ! こっちだ、やっちまえ!」
 甲高(かんだか)い歓声が、ハスクリーたちの背後から聞こえた。
 小妖精(ブラウニー)たちだ。群(む)れになって、わっとこちらに押し寄せてくる。
 リディアが地主の館で助けた顔ぶれもいる。
「みんなハゲにしてしまえ!」
 毛先の焦(こ)げたしっぽを振り回しながら、ニコはあおる。
 小妖精たちは駆け足で、またある者はネズミの背に乗り、ある者は蝙蝠(こうもり)にしがみついて、ハスクリーたちに襲いかかった。
 足によじ登り、身体中に噛みつき、髪の毛を引っこ抜く。
 たぶん、妖精の姿は見えていない。何が起こったのかわからないまま、ハスクリーたちは悲鳴をあげる。
「父さま、こっちよ!」
 妖精によじ登られはしたものの、攻撃は免(まぬが)れていた父を、リディアは騒ぎの渦(うず)から遠ざけた。
「リディア、よかった……、無事だったんだな」
 ひとしきり抱き合い、再会を喜び合えば、リディアの中に決意が芽生える。
 大切な人を守りたい気持ちも、そのために迷う気持ちも、守りきれなくてつらい気持ちも、誰でも同じだ。
 リディアは何も失わずにすんだ。けれどこのまま終わらせるわけにはいかないのだ。
 父の腕から離れた彼女は、わけがわからないという様子で突っ立っているレイヴンに歩み寄った。
「ひとつだけ教えてほしいの。あなた、エドガーが持っていた銀の鍵(かぎ)に書かれていたことをおぼえてる?」
「少しなら」
「メロウは人の魂とひきかえに宝剣を渡すとは、はっきり書いてなかったでしょう?」
「ええ、それは。ただ最後の部分に、〝剣を得た者は、剣を試さねばならない。流された血をメロウは海へ連れ去るだろう〟と」
 金貨にあった、〝メロウの星は星とひきかえ〟、そして銀板にあったその言葉が、青騎士|伯爵(はくしゃく)とメロウとの約束の、重要な部分には違いない。ふたつを結びつければ、メロウに人の魂をささげることで宝剣を得られると取れる。
 けれど、星がサファイアの中の光を指すなら、剣で血を流すことはそれとは関係ない、別の意味になる。
 それがリディアに引っかかったところだ。

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