魔幻小说:《伯爵与妖精》卷一第七章7.1
星は伯爵(はくしゃく)のあかし
浅いはずの水たまりに入れば、深い海の底へとリディアとニコは沈んでいった。
海とはいっても、そこはすでに妖精界だ。海底にある別世界の空間で、呼吸はできるし溺(おぼ)れることはない。冷たくもなく身体(からだ)も濡れない。
ただ水の中を歩くような、身体にまとわりつく圧力と浮力を感じるだけだ。
目の前を青い魚の群れが横切った。ニコに連れられて、リディアはほのかに明るい光の見える、前方へと進んでいく。
そこはメロウの町だった。
貝殻(かいがら)や海草で飾り立てられた家らしき建物が、丘状(きゅうじょう)に並び立つ。上方に瞬(またた)く明かりは、メロウが集めた船乗りたちの魂か。
「見ろ、人間だ」
「自由に歩き回ってるぞ」
「てことは、オレたちのものじゃないのか」
「それにあの、小さい生き物はなんだ」
「妖精のようだが」
「ちっ、見せ物じゃねーぞ」
ニコが不愉快(ふゆかい)そうにつぶやいた。
メロウたちがちらちらと、岩陰からこちらを覗いているのがわかる。女のメロウは、上半身は人間にそっくり、というよりむしろ、人間以上に美しく、下半身だけ魚のように鱗(うろこ)に包まれ尾ひれがあるのはよく知られたとおりだが、男のメロウは顔や腕も鱗で覆われ、頭や背中にひれがある。容貌は魚類に近い。
集まってくるメロウにじっと見られ続け、リディアは立ち止まった。
「ねえ、ついさっき、人間がここへ連れ去られてきたでしょう? 見かけなかった?」
「魂を抜き取る前なら、牧場にいるだろうよ」
ひとりが指さした方向へ向かう。
すぐに、緑の海草に覆われた丘が見えた。
魚の群れが輪を描くように、牧場の中を泳いでいる。それをぼんやりと眺めている金髪を、リディアはすぐに見つけた。
「エドガー! よかった、まだ魂を抜き取られてなかったのね」
駆け寄るリディアに、不思議そうな目を彼は向けた。
「きみが夢に現れるなんて。やっぱり僕のことを恨(うら)んでる?」
「夢じゃないわよ」
「いや、これは夢だろう。海の底で僕は、平然と魚が泳ぐのを眺めているんだよ。それに、つねってみても痛くない」
「まあそうね、あなたにとっては、夢を見ているのと同じような状態かもしれないわね。でもあたしは今、夢を見ているわけじゃないわ」
唐突(とうとつ)にエドガーは、リディアの頬をつねった。
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