每日阅读(5.29):ホタル帰る
鹿児島県の知覧町は、「薩摩の小京都」とも呼ばれる落ち着いた町である。古い屋敷や茶畑の広がる静かなたたずまいと裏腹に、60年前の太平洋戦争中は特攻隊の基地が置かれていた。多くの青年兵士が日々飛び立ってゆき戻らなかった。
たたずまい:立っているようす。また、そこにあるもののありさま。そのもののかもし出す雰囲気。「家並みの―」「庭園の落ちついた―」
鹿儿岛县的知览市被人称为“萨摩的小京都”,是一座古老安静的城市。古香古色的房屋和茶田的背面,却置留着60年前大平洋战争中特攻队的基地。在那个时代,每天都有不少青年士兵牺牲在纷飞的战火中。
当時、軍指定の「富屋食堂」を営んでいた鳥浜トメさんは兵士らの世話を親身になって続けていた。明日のない青年たちから、母のように慕われた。その次女で当時女学生だった赤羽礼子さんが16日、75歳で亡くなった。
当时,鸟滨留经营着军队指定的“富屋食堂”,一直以来,她都像父母一般照顾着士兵们的生活。那些看不到明天的青年们,也都像对自己的母亲一样敬慕着鸟滨留。她的次女,当时还是一名女学生的赤羽礼子,在本月16日去世,卒年75岁。
礼子さんは、92年に没した母や自分と兵士たちとの親交を描いた共著『ホタル帰る』(草思社)を01年に出した。本の題は、出撃前日の宮川三郎軍曹との約束にちなんでいる。その夜、トメさん親子と兵士たちが食堂の横を流れる小川の上を見ると、ホタルが明滅していた。宮川軍曹が言う。「死んだらまた小母(おば)ちゃんのところへ帰ってきたい」「おれ、このホタルになって帰ってくるよ」。店に入れるように表戸を少し開けておくと約束する。
ちなむ:1 ある物事との関係をもとにして、他の物事が存在する。つながりをもつ。「干支(えと)に―・んだデザイン」「憲法記念日に―・む番組」
2 かたい約束をする。かたい契りを結ぶ。特に、男女が深い関係をもつ。
3 親しくする。親しく交わる
「人ニ―・ム」〈日葡〉
礼子在01年出版的《萤火虫归来》一书中写到了92年去世的母亲和自己与士兵们的深交。该书的题目源自出击前日与宫川三郎中士的约定。那天晚上,鸟滨留母女和士兵们看到食堂旁小河的上空中,有萤火虫在闪烁。宫川中士曾说过:“就算我死在战场上,也会回到妈妈(指鸟滨留)身边的。”“我会化作萤火虫归来。”并约定说,为了让他能进入店内而稍稍打开一点大门。
軍曹が飛び立った日の夜、わずかに開けていた戸のすき間から一匹の大きなホタルが入ってきた。気づいた娘たちが叫ぶ。「お母さーん、宮川さんよ」
中士出击的那天夜里,虚掩着的门缝中飞进一只大萤火虫。女儿注意到后大叫:“妈妈,宫川先生回来了!”
青年たちの生が次々に絶たれる。予告され覚悟する兵士たちと見送る人たち。その悲痛な姿は、爆弾を抱えて体当たりせよという命令によってもたらされた。そしてその異常な命令は、あの戦争を始めたあげくになされた。
青年们一个个葬身于战火中。那些抱有必死决心的士兵们和目送他们走上战场的人们,在接到“带着炸弹冲向敌人”一类的命令后,所有人都悲恸不已。战争开始后不久,终于接到了这种非人道的命令。
礼子さんやトメさんと兵士とのきずなは胸をうつ。その伝言は、死を強いる戦争の醜さを伝え続けてゆくだろう。
笔者为礼子和鸟滨留母女与士兵们的牵绊深深感动了。中士的遗言,将一直向世人控诉强夺去人们生命的战争的残酷。
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