每日阅读(6.3):ロチの提灯
「十月の明るいある朝、はれやかな朝日を浴びて、わたしはヨコハマを出発する」。フランスの海軍軍人で、明治期に日本を訪れたピエール・ロチの『秋の日本』(角川文庫)の一節だ。この見聞録には、彼の小さな発見が詰まっている。
“十月某个温暖明亮的早晨,我沐浴着明媚的阳光,出发去往了横滨。”这是明治时期来到日本的法国海军军人皮埃尔·罗茨所著《日本之秋》中的一节。在这本见闻录里,写满了他小小的发现。
にぎやかな東海道から田園に入り、小さな女の子たちが幼いきょうだいを背負っているのを見る。背中にひもでぴったりと結び付けている様に、ロチの従卒が言う。「頭の二つある子供たち」
従卒:将校に専属して、身の回りの世話などをする兵卒。将校当番兵。従兵。
从繁华的东海道走进田园,罗茨看到一群小女孩背着自己的小弟弟。注意到小女孩背上用绳子结得紧紧的样子,罗茨的勤务兵说:“那里有小双头怪。”
ある家の前でロチは突然「大きな憤懣(ふんまん)を覚える」。「ぢいさんとばあさんが、てっきり食べるためだろう小さな二人の女の子を煮ているのだ!」。すぐ入浴と分かったが、桶(おけ)の下には火がかっかと燃えていたと記す。
かっか:1 火が盛んに燃えるさま。「炭火が―とおこる」
2 ひどくほてるさま。「からだじゅうが―(と)する」
3 興奮して冷静さが失われるさま。逆上するさま。「あいつはすぐ―(と)するたちだ」
走到某户人家前,罗茨突然“感到无限愤慨。”“老头子和老太婆怎么在煮两个小女孩,肯定是为了要吃她们!”之后罗茨写到,很快明白了小女孩是在洗澡,在桶下面生火保持水温。
ロチは「お菊さん」でも知られる。大正の終わり近く、その死を聞いた芥川龍之介は追悼しつつ書いた。「ロティは偉い作家ではない。同時代の作家と比べたところが、余り背の高い方ではなささうである」(『玄鶴山房・河童』新潮文庫)。
罗茨甚至还知道“菊先生。”大正年代快结束时,听闻到罗茨死讯的芥川龙之介为追悼他而写下,“罗茨并不是伟大的作家。但与同时期的作家相比,他没有这么摆架子。”
芥川は、土砂降りの往来に似た人生をたどる人にとって、まず必要なのは雨をしのぐ合羽(かっぱ)だという。「新しい人生の見方」のような合羽を与えるのが「偉い芸術家」だが、ロチは「新しい感覚描写や抒情(じょじょう)詩」といった往来の「提灯(ちょうちん)」を与えた、と。
芥川说,对于在泥泞坎坷的人生中探索的人来说,首先需要的是防雨的雨衣。“伟大的艺术家们”提供了他们名为“对人生的新见解”的雨衣,而罗茨笔下“新的心理描写和抒情诗”则为他们人生道路的旅途点亮了一盏灯笼。
ロチは、あの「ぢいさんばあさんの奇怪な料理」の家を去りながら記した。「この小さな一軒家、この料理、わたしたちが今後二度とお目にかかることのないこの正直な人人のにこにこ顔……」。ロチの小さな提灯が、時の肖像を未来に伝え続けている。
罗茨在离开“老爷爷和老奶奶做着奇怪的料理”一家时,记下了这样的文字。“这间小房子,这料理,以及今后再也没有看到过的这真心的笑容……”罗茨小小的灯笼,将当时时代的肖像一直传达给未来。
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