每日阅读(9.05):秋山への旅
行ったことはないが、いつかは訪ねてみたい。信越国境にある秋山郷も、そんな旅ごころを誘う場所の一つだろう。平家の落人伝説の残るその地が、豪雪で孤立している。
尽管未曾踏足,却总想有一天将去游访。位于信越国境的秋山乡便是这样一处令人神往的地方。那片孤立于大雪中的土地,还残留着平家战败者传说。
「秋山には古(いにしへ)の風俗おのづから残れりと聞(きき)しゆゑ一度は尋(たづね)ばやとおもひ居りしに……米味噌醤油鰹節茶蝋燭(らふそく)までをも用意して……」。新潟の文人、鈴木牧之が秋山郷を訪ねたのは、江戸後期のことだった。この『北越雪譜』(岩波文庫)には、心引かれた地へ旅立つ思いや現地での見聞が記されている。
“听闻秋山兀自残留有古风俗,故想前往拜访,没料到……米、味噌、酱油、干制鲣鱼、茶和蜡烛都为客人准备齐全……”新泻文人铃木牧之曾于江户后期游访过秋山乡。《北越雪谱》(岩波文库)中记述了他去往这一心仪之处的旅途情思及当地见闻.
牧之が秋山郷への旅で著した別の一冊『秋山記行』(東洋文庫)には、当時の集落を描いた絵が載っている。見ているうちに、先日見た一枚の写真が絵に重なってきた。それは、雪で孤立状態になった秋山郷を上空から撮影したものだった。
牧之所著的关于秋山乡之旅的另一本书《秋山记行》(东洋文库)中,登载了描绘当时村落的图片。笔者在看这幅图时,不由感觉它和前些日子看到的另一张照片重合在一起。那张照片是从高空所拍摄到的大雪中孤立无援的秋山乡。
絵の方では、かやぶきの家がわずかに点在している。写真の方の家は大きく数も多い。しかし厚い雪がその家々の屋根を覆っているので、昔の秋山郷のたたずまいがよみがえったかのように見えた。
かや‐ぶき【×茅×葺き・×萱×葺き】
茅で屋根を葺くこと。また、その屋根
たたずまい〔たたずまひ〕【×佇まい】
1 立っているようす。また、そこにあるもののありさま。そのもののかもし出す雰囲気。「家並みの―」「庭園の落ちついた―」
2 身を置くところ。暮らし方。また、なりわい。
「人間さまざまの―」〈人・梅児誉美・三〉
图上零星地分布着几家茅屋顶的房子。照片上的房屋则要大些,数量也要多。但房顶被厚厚的大雪所覆盖着,看起来像是曾经的秋山乡复苏了一般。
やはり江戸の後期に書かれた『信濃奇勝録』が、当時の人々の様子を伝えている。争ったり怒ったりすることなく、質朴で「太古の人の如し まことに世外の一世界なり」
江户后期所撰的《信浓奇胜录》一书果然将当时人们的生活形态传达给了后世。无争无怒,质朴“如太古之民,宛如世外桃源”。
冬場には道が閉ざされてきた秋山郷は、隔絶の地であればこそ、うつろわない暮らしや文化を伝えてきた。しかし今では、人々の暮らしは周囲と行き来することで成り立っている。地上の道は閉ざされたが、牧之の時代には思い及ばなかった空の道も使って、一世界と世界とをつなぎ続けたい。
正因为冬日秋山乡的道路被封锁,成了与世隔绝之地,才能将原始的生活方式及文化流传至今。然而在现代社会,人们不与周围交流是无法生存下去的。尽管封锁了地上之路,也希望能使用牧之的时代所无法想象的天空之路,将这世外桃源与世界一直连接下去。
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