每日阅读(9.06):歩く
1996年の1月17日に出版された『瓦礫(がれき)の下の小説』(集英社)を開く。その1年前の阪神大震災で亡くなった重松克洋さんが書きためていた小説と詩を編んだ遺稿集である。
笔者翻开了1996年1月17日出版的《瓦砾下的小说》(集英社)一书,这是95年在阪神大地震中去世的重松克洋所著的小说和诗总汇的遗稿集。
当時20歳で関西学院大2年だった重松さんは、西宮市内のアパート「若葉荘」の1階に住んでいた。地震でアパートが崩れ、その下敷きになる。後日、友人たちが瓦礫の中から泥だらけの原稿用紙約200枚をみつけた。
した‐じき【下敷(き)】
1 筆記・習字などをするとき、その紙の下に敷くもの。また、そのための文房具。
2 物の下に敷かれること。「倒れた材木の―になる」
3 創作・制作などの手本・基礎となるもの。「古い説話を―にして小説を書く」
当时20岁的重松就读于关西学院二年级,居住在西宫市内的公寓“若叶庄”一楼。公寓因地震倒塌,重松被压在下边。数日后,友人从瓦砾中找到了约200张沾满泥的稿纸。
「俺達は、神様に踊らされているんだよ……明日のために、一時的な幸せを与えられて、人は生きさせられてるんだよ」「小さな幸せの中にいることが、本当の幸せなんだよ。難しく考えなくてもいい」。小説「時の輪」では「時の輪から抜け出したいんだ」という言葉を残して自殺する友人とのこんなやりとりが描かれる。人の生に、正面から向き合おうとした軌跡のようだ。
“我们在神的指示下雀跃欢舞……为了明天,神赐予我们这短暂虚渺的幸福,让我们庸碌而被动地生活下去。”“生活在简单浅薄的幸福中,便是真正的幸福了。不必想得太过复杂。”小说《时之轮》中,重松描写了自己与友人间的对话,友人留下句“想挣脱时之轮”的遗言便去自杀了。看起来像是他决定要直面人生的一段心灵轨迹。
昨年の1月17日、神戸は雨だった。市内の追悼の会を取材した後「若葉荘」に向かった。関西学院大に近い住宅街のその場所は駐車場になっていた。敷地の一角に花が供えられ、手を合わせてしのぶ人たちがいた。
去年的1月17日,神户下着雨。笔者在市内追悼会上采访后去往了若叶庄。曾位于关西学院附近的住宅街上的若叶庄如今已成了停车场。停车场一角上摆着供奉的鲜花,有人双手合十缅怀着重松。
重松さんは高校時代に「歩く」という詩を書いた。「この道が続く限り/僕は歩き続けるだろう/たとえ道がなくなったとしても……なぜなら歩き続けることが自分の証明であり/歩き続ける限り僕は生きているからだ」
重松在高中时曾写下过《行走》一诗。“只要这条路仍在延伸/我就将一直走下去/哪怕没有了道路……因为一直往前走 便能证明真正的自我/只要我在行走 我便存活于这世上”
今年も1月17日が巡って来た。あの日から11年の月日が流れた。しかし、亡くなった人たちは、今も、これからも、それぞれにつながる人々の中で生き続け、歩き続けてゆくだろう。
今年也到了1月17日。从那天起,整整11年时间流逝而过。然而,现在也好,未来也好,逝者将永远存活于与其相牵连的人们心中,永远向前走下去。
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