每日阅读(9.22):豆まき
昨日、寺の連なる道を歩いていて、ふと和菓子屋の前に出た。ガラス戸に「うぐいすもち」と張り紙がある。先のすぼんだ黄緑色の餅が、棚の中で行儀よく並んでいた。〈鴬餅の持重りする柔かさ 篠原温亭〉。
昨天,我沿着寺院节次鳞比的道路散步时,不经意中来到一家和式点心铺前。铺子的玻璃窗上贴有“莺饼”的招牌纸。刚做好的黄绿色小饼整齐地排列在柜台里。(愈来愈重的莺饼温情 筱原温亭)
店を行きすぎた坂道の脇に立つ掲示板に、今日の知らせが出ている。「節分祭 三日午後三時 豆まき」。森鴎外の短編「追儺(ついな)」には、明治期の節分の日が記されている。料亭の座敷で、約束までの時間をもてあましていると、突然、赤いちゃんちゃんこを着たおばあさんがひとり、ずんずんと入って来る。
离铺子不远的斜坡的一端立着块公告牌,上面写着今天的通知“立春前日祭 三号下午三点 撒豆驱邪”。森鸥外的短编小说《追难》中描述过明治期间立春前日的情景。主人公在和式酒家的房间里等人。正在他苦于如何消磨时间时,突然一个身着红色马甲的老婆婆闯了进来。
ちょこんとあいさつして、豆をまき始めた。「福は内、鬼は外」。女性が数人ばらばらと出てきて、こぼれた豆を拾う。「お婆さんの態度は極めて活々(いきいき)としてゐて気味が好い」(『森鴎外 現代小品集』晃洋書房)。
ちょこん‐と
1 小さくかしこまっているさま。ちょこなんと。「子供が―座っている」
2 少しだけ。ちょこっと。「球に―バットを当てる」
寒暄几句后,便开始了撒豆驱邪的仪式。“福请进,鬼请出”。几个女人分开走出去捡撒满一地的豆子。“老婆婆显得精神攫烁,很愉快的样子。”
確かに豆まきは、やや大げさなぐらいに声をあげて、勢いよくまくのがほほえましい。昨今では、近所からうるさがられるかもしれないが、邪気を払う願いに免じて今日だけは許してもらいたい気がする。
撒豆驱邪确实应该大声点,鼓起劲来做才好。虽然如今这样做的话,可能邻居会嫌吵。但笔者觉得,看在是为了驱散邪气的份上,希望邻居们今天就稍稍包容一下吧。
豆をまく時のかけ声は、ところによって変わる。寺の宝が鬼の面という名古屋市の大須観音では「福は内」だけだ。東京の稲荷鬼王神社では、神社の名前をおもんぱかって「福は内、鬼は内」、入谷鬼子母神は「福は内、悪魔外」だそうだ。
おもん‐ぱか・る【▽慮る】
[動ラ五(四)]《「おもいはかる」の音変化。古くは「おもんばかる」》周囲の状況などをよくよく考える。思いめぐらす。「相手の対面を―・る」
撒豆驱邪的吆喝声随地域的不同而有所改变。以鬼面为镇寺之宝的名古屋市大须观音殿里的人们只喊“福请进”。而东京的稻荷鬼王神社考虑到神社的名称,口号喊成“福请进,鬼请出。”入谷鬼子母神则是“福气请进,恶魔请出”。
近年は、大がかりな見せ物と化した豆まきの行事もあるようだ。しかし、それぞれの家や居場所で、それぞれに福と鬼とを思うことが、本来の姿なのだろう。〈節分の豆少し添へ患者食 石田波郷〉
近年来,也有人借撒豆驱邪之名大费周张地举办活动吸引人们的眼球。但是,这些家庭和住所各自所怀想着的“福”与“鬼”,是否还是原来的面貌呢。(添一点立春前日的豆子拿给病人食用 石田波乡)
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