每日阅读(9.24):カレー
大正初め、日本へ亡命したインドの独立運動家ラス・ビハリ・ボースは、東京で食べたカレーの味にひどく落胆した。「インド貴族が食べるのはこんな味じゃない」と。
らく‐たん【落胆】
[名](スル)期待や希望どおりにならずがっかりすること。「審査に通らず―する」
大正初年,印度独立运动家拉斯·皮哈利·鲍斯逃亡到日本。他在东京吃到咖喱时大失所望,说:“印度贵族所吃的咖喱完全不是这个味道。”
当時一般に食べられていたのは、英国風のカレー粉を使った即席料理だった。本場ベンガル育ちのボースには和食にしか見えなかったことだろう。日印を結ぶ政治工作のかたわら、本式のカレーを広めようと決意する。
当时人们一般食用是使用英国的咖喱粉的铁板烧。在土生土长于孟加拉的鲍斯眼中,恐怕只是和食吧。鲍斯在进行日印友好的政治工作的同时,也决定推广真正的咖喱饭。
官憲に追われ、かくまわれた先が新宿の洋食店中村屋だった。店主の娘と恋愛結婚して経営に加わり、「純インドカリー」を売り出す。鶏肉や香辛料を精選し、ご飯とカレーを別盛りで出した。他店の8倍もの値をつけたが、「恋と革命の味」として評判を呼んだ。
鲍斯被政府通缉,藏身于新宿的西餐厅中村屋中。之后与店主女儿恋爱结婚,并投入餐厅经营,开始出售“纯印度咖喱饭”。精挑细选好鸡肉和香辣调味料,将米饭和咖喱盛在不同的饭碗内,价格是其它店的8倍。人们称之为“恋爱与革命的味道”,极受欢迎。
波乱の生涯をたどった中島岳志さんの『中村屋のボース』(白水社)が、今年度の大佛次郎論壇賞を受けた。同時代を生きた独立の志士チャンドラ・ボースとしばしば混同されるが、別人である。
中岛岳志先生追溯了鲍斯曲折的人生经历,据此写下的《中村屋的鲍斯》(白水社)一书获得今年的大佛次郎论坛奖。书中的鲍斯很容易与同一时代的独立运动志士钱德拉·鲍斯相混淆,但实际上他们是两个不同的人。
中村屋のボースの方は、日本を頼ってインド独立を模索した。最後は、帝国主義日本の手先とみなされて苦悶(くもん)する。受賞作はその歳月を丹念に描いた伝記だが、日本のカレー文化をインドの視点から考える上でも興味深い。
中村屋的鲍斯依靠日本摸索如何让印度独立。最后被当成日本帝国主义的走狗郁郁而终。获奖的这本传记生动地描绘了那段岁月,从印度的角度来看日本的咖喱文化也相当有意思。
晩年のボースが病床で夢見たものが二つある。祖国の主権を奪い返すことと、医師に制限されたカレーを存分に食べることだ。ボースの長女、哲子さん(83)によると、医師が治療をあきらめた後、家族は望み通りカレーを与えた。だが独立の夢はかなわないまま58歳で逝く。東京を寒波が包んだ1945年1月の夜だった。
鲍斯晚年躺在病床上只惦念着两件事。一是夺还祖国主权,一是在医生允许的条件下,尽情吃咖喱饭。据鲍斯的长女哲子(83岁)说,医生放弃治疗后,家人一直给他准备足够份量的咖喱饭。1945年1月寒流袭击东京的某个夜晚,鲍斯与世长辞,享年58年岁。直到他临终时,印度独立的梦想还是没能实现。
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