每日阅读(9.29):トリノ
見通しが、あまり良くなさそうな街並みだ。イタリア北部の街トリノに降り立ち、駅前広場に出た時の印象だ。冬季五輪に向けた工事が進む駅周辺では、視野をさえぎる囲いがあちこちに巡らされていた。昨年秋のことである。
笔者在意大利北部的都灵下车,来到车站前广场时,感觉街道上房屋栉比,视野不是太开阔。这还是去年秋天的事了。为了迎接冬奥会,车站周边正在紧张地进行施工,遍地围着隔阻人们视野的栅栏。
駅前のホテルで荷を解き、街を歩き始めると、最初の印象はすぐに崩れた。アーケードがまっすぐにのびている。交差する道も広く、かなり遠くまで見通せる。五輪向けの一時的な表情とは別に、街の素顔の方は、すっきりとしているようだった。
笔者将行李置于车站前的旅馆后去街上走走,却彻底改变了最初的印象。拱廊笔直地延伸往前方,交叉的街道也相当宽敞,一眼望去,能看到很远的地方。与为了准备冬奥会而一时斑剥零乱的样子不同,没有任何装设的街道看起来很清爽。
中世以降、諸州・諸都市が分立していたこの長靴形の半島に「イタリア王国」ができたのは、日本の幕末にあたる1861年のことだった。祖国の統一と解放をめざす運動の結果、トリノに最初の首都が置かれた。今は、フィアットなどの自動車産業や機械工業の中心地となっている。
中世纪以后,日本幕末时期的1861年,“意大利王国” 建立于这个各州、各城市分立的长靴形半岛上。意大利人民以祖国统一和解放为目标的运动,终于将国家最初的首都定为都灵。如今,这里成了菲亚特汽车产业和机械工业的中心地区。
北イタリアに生まれたデ・アミーチスは、トリノの小学校を舞台にして「クオレ」を著した。トリノが長靴の上端近くにあるとするなら、靴先にあたる南のカラブリア地方から転校生がやってくる。
出生于北意大利的De Amicis以特里诺的小学为舞台创作了《爱的教育》。如果说都灵位于长靴的上端附近,那么文中的转校生则是从相当于靴尖的南部过来的。
先生が言う。「カラブリアの子どもがトリノにきても、じぶんの家にいると同じ思いをし、また、トリノの子どもがカラブリアのレッジョへいっても、うちにいると同じ思いをすることができるために、わが国は五十年のあいだ戦いました」(前田晁訳・岩波少年文庫)。
老师说:“为了让卡拉布里亚的孩子们来到都灵时,能感觉像在自己家里一般温暖,同样,为了让都灵的孩子们去往勒佐卡拉布里亚时,也能感受到同样的温暖,我们国家整整战斗了50年。”(《前田晃译·岩波少年文库》)
今もなお、この国の北と南はなじんでいないと聞く。それぞれに、重い歴史を背負っているのだろう。祖国統一の象徴の地で、10日、20回目の冬季五輪が開幕する。
如今依然听说意大利南北不和。或许是两地都背负着自己沉重的历史罢。2月1号,第20届冬奥会将在这块象征着祖国统一之地召开。
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