每日阅读(11.4):死者の書
昨日、東京の都心部の墓地を通ると、前日の嵐で吹き飛ばされた花が幾つも墓の間に落ちていた。彼岸に入ってから供えられたような新しい花もあった。
昨天,笔者经过东京都心的墓地时,看到几朵花被前些日子的风雨吹散,飘落在墓地间。还有像是春分后才供奉上的新花。
「今日と言ふ日。彼岸中日、春分の空が、朝から晴れて、雲雀(ひばり)は天に翔(かけ)り過ぎて、帰ることの出来ぬほど、青雲が深々とたなびいて居た」。国文学者で歌人でもあった折口信夫の小説『死者の書』(中公文庫)は、彼岸が物語の節目になっている。
“今日正值春分,从一大清早起,便是天空晴朗。云雀掠过天际,像是一去不复返一般,身后的青云拉得老长。”国文学者兼和歌诗人折口信夫的小说《死者之书》(中公文库)中,春(秋)分正是故事中的关键情节。
舞台は奈良の都だ。貴族の姫・郎女(いらつめ)が、春の彼岸の中日に念願の千部の写経をなしとげる。その夜、神隠しに遭ったように屋敷から姿を消す。そして郎女と、以前に刑死して山に葬られた皇子(みこ)の魂の交感がつづられてゆく。
该故事以奈良都为舞台。贵族的女儿·郎女在春分时节如愿以偿地完成了千部经书的抄写。当天夜里,她从房中突然消失了。之后郎女感觉到自己与已被处刑,葬身于山中的皇子的灵魂能够相互感应了。
この幻想的な小説を原作にして、人形美術家の川本喜八郎さんが監督した人形アニメーション映画「死者の書」が、東京・神田の岩波ホールで公開されている。NHKの「三国志」の人形制作でも知られる川本監督は、生身の人間が演ずる時につきまとうにおいのない、澄明な世界をつくりあげた。
人偶美术家川本喜八郎以这篇幻想小说为蓝本导演的人偶动画电影《死者之书》,在东京·神田的岩波大厅公开上映了。以NHK的“三国志”中人偶制作而闻名于世的川本导演,创造了一个没有真人演出时的纠缠繁乱感的澄静世界。
郎女は、皇子の魂を鎮めようとして一心に機を織る。義務や理屈ではなく、何かにつかれたようにして持てる力を尽くし、完成させる。ひたむきな表情に、やがてやすらぎも宿った。
ひた‐むき【▽直向き】
[形動][ナリ]一つの物事だけに心を向けているさま。忍耐強く、いちずに打ち込むさま。「―な努力」「―な情熱」
郎女为了让皇子灵魂平息下来埋头地织布。并非出于义务和道义,她像是鬼迷心窍一般,用尽全力完成了这一心愿。很快,她专心的表情上,更添了一份安详。
現実の世界ではまぶしすぎるような営為が、人形の細やかなしぐさや表情によって真実味を帯びる。川本監督は、「過去の戦争や現在のテロが生み出す、すべてのやすまらぬ魂のことを思って作った」と述べている。郎女は、ひたむきさが秘める可能性を静かに示しているようだった。
在现实世界的话,这一举动实在过于耀眼了。然而凭借人偶细腻的动作和表情,故事也显得很具真实性。川本导演说:“我是想到过去的战争和现在的恐怖活动,那些所有不安份的灵魂,而制作出这一作品的。”郎女像在静静地表示出执著中隐藏的可能性。
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