每日阅读(1.29):近藤芳美
道ばたに、一鉢のあじさいが置かれている。どんよりとした空の下、控えめに、ほの青くたたずんでいる。ぬれているようないないようなぼんやりとしたところも、この季節によく似合う。
一盆紫阳花置放于路旁。淡蓝的花儿有点矜持地轻伫在阴霾的天空下。欲湿未湿的朦胧美亦很适合这一季节。
〈ともしびの下あじさいの花は散り木の間の闇に靄(もや)はひろがる〉。21日に93歳で亡くなった近藤芳美さんが、50年前に詠んだ。
21日,于93岁高龄去世的近藤芳美先生在50年前吟咏道:“灯火交辉夜/紫阳花片片凋零/丛木间的黑暗中/雾霭缭绕。”
その前年に朝日歌壇の選者となり、ほぼ半世紀にわたって務めた。74年に出版した『無名者の歌』(新塔社)は、朝日歌壇の歌から抜粋して編んだ。「無数の作品にうたいこめられているうつうつとした声と思いとを全身に聞きながらこの作業をつづけていった」。歌が織りなす「戦後史」を目指した。
近藤先生在作这首诗的前一年,成为了朝日诗坛的一名评选人。他辛劳工作近半个世纪。74出版的《无名者之歌》(新塔社)是从朝日诗坛的和歌中挑选优秀作品编集而成的。“我用心聆听着无数作品中包含的郁愤之声与心情,继续着这一工作。”他的目标是用诗歌编集成一本“战后史”。
太平洋戦争の開戦のころ、一病兵として大陸前線から生還した体験を持つ近藤さんは、歴史と人間を見つめ続けた。〈寂しき日本よと思うことあれど息づく如く平和なる今日〉。新春の新聞の「新年詠」には「必ず『平和』への思いを歌うことを心に決めていた」(『歌い来しかた』岩波新書)。
太平洋战争开战之际,近藤先生体验过作为一名伤员从大陆前线生还的经历,他一直关注着历史和人类。“正因为想起/孤寂的日本/才会长吁短叹般/歌颂平和的今天”新春报纸上的《新年咏》中写道“我决心一定要歌颂对‘和平’的向往”。(《诗歌的过去》岩波新书)
イラク戦争を憂慮しつつ述べた。「わたしたちにとって戦争が何かという問いは、人間にとり戦争とは何かという問いになり、その問いを逃れてわたしたちの生きる世界はないのであろう」(『短歌と人生 語録』砂子屋書房)。
近藤先生担扰着伊拉克战争,他说:“对我们来说战争为何物,这一问题已发展成了对人类来说战争为何物。若要逃避这一问题,我们生活的世界也将会不复存在吧。”(《短歌与人生 语录》砂子屋书房)
こうした時代への直視の底に、豊かな叙情性が流れていた。〈たちまちに君の姿を霧とざし或る楽章をわれは思ひき〉。言葉から香気がたちのぼり、音が響き始める。その若き日の調べは、人生の最終楽章でも鳴り響いていただろう。
他直视这一时代的内心中,也极富抒情性。“转瞬间/你的身影/融入茫茫雾霭中/我想/那真像一曲乐章啊。”文字中馨香氲氤,音乐业已奏响。想必是他年轻时代的演奏,鸣响了人生最后的乐章罢。
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