每日阅读(2.28):紙
もし、世の中に紙というものがなかったらどうだろう。書けない、拭(ふ)けない、包めない。暮らしに無くてはならない道具、いや、道具以上の大きな存在だ。
如果世上没有纸将会变成什么样?不能写字,不能擦拭,不能包东西。纸是生活中必不可缺的工具,不,它是比工具更重要的存在。
古(いにしえ)の紙についての記述は、中国の『後漢書』に出てくる。「古自(よ)り書契(しよけい)は多く編むに竹簡を以てし……」(岩波書店・吉川忠夫訓注)。書契は、文字の記録のことだ。竹簡や絹布を使っていたが、簡は重く、絹は高い。それで、蔡倫という人が工夫し、樹皮や麻くず、ぼろ布、漁網を用いて紙をつくったという。帝に奏上した年は、西暦の105年にあたる。
中国的《后汉书》中有关于古代纸张的记载。“自古书契多以竹简……”(岩波书店·吉川忠夫训注)书契指的是文字记录。过去曾使用竹简和绢布来记录,但简过于沉重,而绢过于昂贵。于是,一个名叫蔡伦的人设法使用树皮、碎麻、破布及渔网等材料来造纸。并于公元105年上奏皇帝。
今年出版された『紙の文化事典』(朝倉書店)には、最近の学説では前3世紀ごろが紙の誕生の時期とされる、とある。蔡倫は、それまでの製紙技術を集大成した人とされている。
今年出版的《纸的文化事典》(朝仓书店)中写道,据最近的学说,纸诞生于公元前3世纪左右。蔡伦是之前的造纸技术的集大成者。
この本の「資料編」には、製紙会社の広告が収録されている。「歴史を蓄える紙。/創業以来130余年/私たちにはブランドがあります」。こう訴えるのは、王子製紙グループだ。「人類が紙を知って約2000年/大切に——紙の未来。地球の未来」。こちらは、王子製紙が経営統合を迫っているという北越製紙だ。
这本《资料编》中还收录了造纸公司的广告。王子造纸集团打出的口号是“历史悠久的纸品。/创业130余年/我们有着自己的品牌。”而王子造纸所紧追不舍想要吞并的北越造纸则打出“人类发明纸已有约2000年时间/请珍惜——纸的未来。地球的未来。”的口号。
企業にとって、生き残ることは肝心要だ。王子側は「国際競争に打ち勝つ」と言い、北越側は「自主独立の企業文化がある」と述べる。どちらも、現代企業には欠かせない視点であり、心構えだろう。
企业最重要的是在竞争中生存下来。王子造纸称“在国际竞争中战胜对手”,北越造纸则称 “有着独立自主的企业文化”。两者都是现代企业所不可欠缺的观点与体会。
真っさらな一枚の紙を思い浮かべる。そこに何が書き込まれてゆくのか。期待と希望がわいてくる。そんな品物を商っている会社同士にふさわしい成り行きを見せてほしい。
笔者不由想到,一张崭新的纸上将会写上些什么呢?真是充满期待和希望的事情啊。希望经营这种商品的公司也能表现出与之相称的举动。
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