双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(220)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
オカンは自分が水道を沸かしたものを飲んでいても、ウサギにはミネラルウォーターを飲ませていた。
「冬はやっぱり、豚汁がええね。おいしい」
「あんたが中学の時は、野球の練習から帰って来たら、どんぶりで三杯くらい食べよったがねぇ」
「もう、そんなん食えんばい……」
食事が終わるとしばらくして、オカンは肩の回りにタオルを巻いて、ビゲンで白髪を染め始めた。
オカンは若い時から白髪が出ていた。ボクも若白髪が早くから生え始めた。
「後ろ、してやろうか?」
染料を刷毛で練り合わせて、髪に塗ってゆく。手の届かない後頭部の内側は、子供のときからボクが塗る役目だった。
数日後、また東京タワーの麓にあるあの病院にオカンは入院する。
「知っとる看護婦さんもおるけんよかろ」
もう髪の根元はほとんど真っ白だ。
「あんたに言うとかないけんことがある」
「なんね……」
「オカンが死んだらね……」
「死にゃあせん……」
「葬式をね、する時によ」
「その時は、富士山のぶどうと一緒の所に埋めてやるけん」
「引き出しの中に互助会(ごじょかい)の書類が入っとるたい。あんたに迷惑かけんでいいごと、ずっと掛けとったけん、そこに連絡しなさい」
東京に来てから加入したらしい互助会の書類には、一番料金の安い葬儀に月三千円ずつ、もう何十ヶ月も積み立ててあった。
「そんな心配せんでよか……。まだ、死にゃあせんのやけん……」
「オカンは、ガンなんよ……」
「なんでわかるん?違うやろ……」
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