双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(223)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
下北の寿司屋は値段もいいことを知っているオカンは、こんな時にでも庶民的な料金の地元の寿司屋に行きたいと言い張った。
カウンターの奥にある狭い座敷に上がって刺身をつまみながらビールを飲む。
「ここは、刺身もにぎりもネタが大きいけんねぇ。こげ厚く切りよったら儲けがないっちゅうくらいあるばい」
座敷の隅には職人の私物や段ボール箱が積み重ねてある。その隣でオカンは刺身の大きさにはしゃいで見せたが、それを二、三切れ口にしただけで、ビールは舐めるほどしか口にしなかった。
ココに来る前に、電話でミッチャンとオカンがこれからの治療などについて話あっていた。オカンの病気と闘うモチベーションが下っていることを気にしているミッチャンは座敷でオカンの前に座り、ずっと励まし続けている。
ミッチャンの旦那の泰さんも冗談を交えながら、オカンに頑張るよう言ってくれた。
ノブエおばさんの娘であるミッチャン。長女のノブエおばさんにオカンは本当にかわいがってもらっていたのだけど、その上、このミッチャン夫婦も、なんで人のオカンのためにここまでしてくれるのだろう、というくらいに心底オカンのことを考えてくれる。
今までオカンと何度くらい外食したことだろう。筑豊にいた小学校の頃は、街に一軒だけ焼肉屋があって、ボクはそこに連れて行ってもらうのが楽しみだった。ふたりで向かい合って座り、ロースターの上で焼かれた肉は、ほとんどボクの小皿へオカンは入れた。
高校に入って別府のアパートでひとり暮らしを始めた時も、時々オカンは別府に来て、うなぎ屋さん、洋食屋さん、「いつもちゃんと食べよるんかね!」と聞きながら色んな店に連れて行ってくれて、自分の食べているうなぎをいつも半分箸で割って、ボクの重箱に入れてくれた。
東京に来てからは車に乗ってボクが連れて行った。ふたりで行ったり、みんなで行ったり。
ラーメン。広島風お好み焼き。ホルモン。中華料理、天ぷら。寿司。焼鳥。おでん。居酒屋。洋食屋。ステーキハウス。
オカンが作らないような料理の出るところを回って、コーヒーを飲んで帰る。
一緒に色んな所へ出掛けて御飯を食べた。
そして、この座敷に段ボールの積んである寿司屋。ほとんど食べきれずにビールを舐めていたオカン。
この店がオカンとボクとが一緒に外食した最後の店になった。
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