双语阅读:《哈利波特与魔法石》第9章午夜决斗9
「どっちに行った?早く言え、ピーブズ」フィルチの声だ。
「『どうぞ』と言いな」
「ゴチャゴチャ言うな。さあ連中はどっちに行った?」
「どうぞと言わないなーら、なーんにも言わないよ」
ピーブズはいつもの変な抑揚のあるカンにさわる声で言った。
「しかたがない――――どうぞ」
「なーんにも!ははは。言っただろう。『どうぞ』と言わなけりゃ『なーんにも』言わないって。はっはのはーだ!」
ピーブズがヒューッと消える音と、フィルチが怒り狂って悪態をつく声が聞こえた。
「フィルチはこのドアに鍵が掛かってると思ってる。もうオーケーだ――ネビル、離してくれよ!」
ハリーがヒソヒソ声で言った。ネビルはさっきからハリーのガウンの袖を引っ張っていたのだ。
「え?なに?」
ハリーは振り返った――そしてはっきりと見た。「なに」を。しばらくの間、悪夢を見ているに違いないと思った――あんまりだ。今日はもう、嫌というほどいろいろあったのに。
そこはハリーが思っていたような部屋ではなく、廊下だった。しかも四階の『禁じられた廊下』だ。今こそ、なぜ立ち入り禁止なのか納得した。
四人が真正面に見たのは、怪獣のような犬の目だった――床から天井までの空間全部がその犬で埋まっている。頭が三つ。血走った三組のギョロ目。三つの鼻がそれぞれの方向にヒクヒク、ピクピクしている。三つの口から黄色い牙をむきだし、その間からヌメヌメとした縄のように、ダラリとよだれが垂れ下がっていた。
怪物犬はじっと立ったまま、その六つの目全部でハリーたちをじっと見ている。まだ四人の命があったのは、ハリーたちが急に現れたので怪物犬がフイを突かれて戸惑ったからだ。もうその戸惑いも消えたらしい。雷のようなうなり声が間違いなくそう言っている。
ハリーはドアの取っ手をまさぐった――フィルチか死か――フィルチの方がましだ。
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