每日阅读(9.18):質屋
三武(みたけ)久美子さん(58)が「質屋の女房」になったのは、二十数年前のことだ。8人きょうだいの末っ子で、幼いころに父を亡くし、母のお供をして質屋によく通った。それがどういう巡り合わせか、質屋さんと結婚した。
二十几年前,三武久美子(58岁)成为了“当铺的老板娘”。她是家里八兄妹中最小的孩子,自幼丧父,常陪同母亲一起去当铺。巧合的是,后来她便与当铺老板结婚了。
そんな思い出を収めた『本日は定休日』(文芸社)を読み、東京?品川の店を訪ねた。かつては路地の奥に出入り口があり、窓には格子がはまっていたそうだが、いま、店は通りに面して明るく、格子もない。
笔者读了回忆集《今天是休息日》(文艺社)后,前去走访了位于东京·品川的这家当铺。听说以前出口位于巷子深处,窗户还糊有格子窗棂。而如今当铺面向大街,十分明亮,也没了窗棂。
「いまのお客さんは、生活費というよりも、小遣いがちょっと足りないという人が多いようです」と三武さんは話す。むかし、シャンデリアを質草として持ってきた人がいたのには驚いた。質草の主流は、衣服や電気製品から貴金属やブランド品のバッグに変わってきた。
三武女士说:“现在来这儿的客人,更多的不是因为攒不起生活费,而是零花钱稍嫌不够。”过去看到有人拿吊灯来典当,我还有点吃惊。现在的主要当品由过去的衣服、电器等演变成贵重金属和品牌箱包。
質屋の始まりは鎌倉時代といわれる。いまや消費者金融に加えて、銀行までが争って金を貸す時代である。昭和30年代に全国に2万店あった質屋は、4千店に減った。
据说当铺始于镰仓时代。然而现代,当铺已加入消费者金融业,跟银行一样争先恐后地提供贷款。昭和30年代全国2万家当铺如今已减少到4千家。
それでも、まだまだ根強い人気がある。三武さんはその理由を「万一、お金を返せなくても、取り立てはしないし、事情があれば返済を待つこともあるからでしょう」と語る。身の丈にあった借金であり、貸手には人の情もあるのだ
尽管如此,当铺还是占据着根深蒂固的地位。三武谈到其理由时说:“万一还不起钱,也没人会来催债,同时有什么特殊情况时,当铺也能延长贷还期限。”人们可以根据自己的情况来借钱,同时贷方也富有人情味。
東京で質屋の常連客となったのは、「地縁血縁のない上京者だった」。そう書いたのは、ドイツ文学者の故種村季弘さんだ。最近、三武さんの店には、アジアの国々からの「上京者」が目立つ。病気の母に仕送りしなければならない、などと聞かされると、つい多めに貸してしまうそうだ。
东京当铺的常客大多是“与当地无关的外地上京者”,已故的德国文学家种村秀弘先生曾如是说过。最近,三武小姐的当铺里,不少从亚洲各国赶过来的“上京者”很是惹人注目。听到客人说“必须给生病的母亲汇款”一类的话,当铺也不自觉地多借出了些钱。
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