双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(226)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
六人部屋の病室。オカンのベッドは入口を入ってすぐ右手前に用意されていた。これから精密検査のための数日が始まる。
「知っとる看護婦さんもおるけんよかった」
「ちゃんと検査してもらい。しょっちゅう来るけん、なんか欲しいものあったら言いよ」
「そげ来んでもよかたい。あんたも忙しかろうが。そやけど、パンのエサだけちゃんとしてやりなさいよ」
「うん。わかった」
「それから」
「ん?」
「オトンにも、一応連絡しときなさい」
「あっ、うん。わかった。しとくよ」
その頃はボクの仕事も机に向かうだけではなく、なにかと外に出歩かなくてはならない内容のものが増え、一日が慌(あわただ)しく働いていた。
以前は仕事の経理もオカンがしていたものだが、代官山に事務所を移してからはオトン方の従姉妹の博子がそこで働き始めていた。それからは、ボクがどんな仕事をしているのか、オカンはほとんど知らない。
そして、オカンと仲の良かった彼女がボクとはもう別れてしまっていることも知らなかった。初めてその彼女を家に連れて行ってオカンに会わせた日、彼女は鞄の中からリンゴをひとつだけ出して、お土産ですとオカンに渡した。
彼氏の母親にではなく、まるで友達にするようなその気安さがオカンには合っていたようで、また、それを喜ぶ性格のオカンと彼女はその日のうちに冗談を言い合って大笑いするような関係になった。
そして、ふたりが知り合ってしばらくした頃、彼女がお母さんに指輪を貰ったと言ってボクにそれを見せた。
その指輪は、病院の借家で空き巣に入られた時にも、それだけは唯一、奥の奥へと大切に保管しておいたために残ったもので、その昔、オトンに買ってもらった、透明の石が付いた指輪だった。
「貰っちゃて、いいのかな?」
「いいんじゃないの。くれるって言うんだから」
光に当たるも透明の中に虹のような七色の輝きが見える石だった。貧乏性のオカンは、その指輪を普段につけることができず、時折タンスの奥から取り出してはいつも眺めるだけで「これが盗まれんでよかった」とそのたびに言った。
どれくらい価値のあるものかはわからないが、少なくともオカンにとっては大切な指輪だ。オカンは、いつかボクと彼女が一緒になるのだろうと、思っていたみたいだ。
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