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双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(228)

时间:2012-08-29 11:38:29  来源:可可日语  作者:ookami

东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。

実際に不動産屋を見て歩く時間がなく、インターネットで物件を検索する。仕事場と住居が完全に切り離れた時取りがいい。オカンが寝たきりになることを考えると、その部屋には物音が響かないように、陽当たり風通しも良好であってほしい。
めぼしい物件を見つけるたびに不動産屋に連絡を取り、夕方の空いた時間に内見をした。
仕事机に向かって黙黙(もくもく)と原稿を書く。その内容はどうやって人々を笑わせてやろうかというもので、その合間(あいま)に物件を見に出掛けては金は心配をし、賑やかで華(はな)やかな職場に行けば、自分なりに楽しげな振る舞いを見せ、消毒液臭い病院の廊下を歩いて、オカンの枕元に腰掛ける。時間に急き立てられながら、感情のバランスはちぐはぐで、どこかがいつもちりちりする。腰のあたりから喉のあたりまで、砂が詰まったような息苦しさで気持ちが滅入る。
夜、ひとりになってその感情と対峙することに耐えられず、毎晩飲み歩いた。煩(わずら)わしいこと、恐ろしいことから逃避(とうひ)するために、友だちを呼び集めて矢鱈と飲み続けた。
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入院してしばらくの間、オカンは入院前よりも元気を取り戻していた。ボクが病棟に行くとベッドにはおらず、いつも談話室にある公衆電話でどこかに長電話していた。ボクはその姿を見つけるたび、背後からこっそり忍(しの)び寄って、肩を抱きながら脅かすと、毎回同じ驚き方をして笑った。
「元気そうやないね」
「あぁ、もう退屈やけんねぇ。ブーブおばちゃんに電話ばしよったったい」
「飯は、食べられるんかね?」
「だいぶ食べられるようになったばい。そやけどたくさんは入らん。どうも胃の辺りに引っかかるごとあってから。でも、なるべくね、食べ物で栄養とらんと体力が落ちるけん。あんた、プリンをとってやっとるけん、食べなさい」
病院の食事に付く、プリンやゼリーをいつもオカンは残してボクに食べなさいと言った。本当は柔らかいものしか胃を通らない身体なのだから、プリンのようなものの方が食べやすいはずなのに、それをわざと残してボクに食べさせようとする。
病院の味がするプリン。いつまでたっても子供はプリンが好きなのだと思っている。オカンもプリンが好きなくせに。
そして、ボクは財布の中に入っている仕事先で貰ったテレホンカードと、自販機で買った度数の大きいものとをオカンに渡していた。九州にかけることが多いようだ。何枚あってもすぐになくなるだろう。
ボクはそんなオカンの姿を眺めて、この病気も今までのように、また、治めるものだと信じていた。検査が終わって治療法が決まれば、時間はかかってもきっと大丈夫なのだろうと。

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