双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(232)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
はぁ?なにをだし抜けに言い始めたのだ、このオッサンは?ボクとしても昔と比べたらば少しは薄くなってきてはいても、まるでハゲの悩みを共有する友人に朗報発表!とでも言わんばかりに、そう切り出してくるのである。
「まぁある程度長いこと使わんと効果も出らんのやけどよ、これがまた今、リアップが品薄でからのぉ。お父さんが周りの連中の分やらみんな手配してやって品物を押さえてやっとるんや」
いつになく饒舌に、ひとくさりリアップ効果について語り切ったところでひと息ついたオトンは、ようやくオカンの話、つまり、今回の上京の目的について話し始めた。
「医者はなんて言いよるんか?」
「もうすぐ検査の結果について話がある」
「まだ、相部屋におるんか?」
「そう。六人部屋」
「個室に移されたら、もうつまらんぞ」
「……。聞いたよ、それ」
本当にマイペースだ、この人は。マイペースという言葉に一片の曇りもなくマイペースな人である。
東京駅に着いたオトンを直接、赤羽橋の病院に連れて行く。久しぶりに会ったオトンはだいぶ老(ふ)けて見えた。リアップの話を聞いた後だけに頭髪に目がいく。言われて見れば全体的に薄くなって白髪も目立つ。とはいえ、オトンも六十六になる年齢なのだから、なにが抜けてもおかしくはないのだが、その方面の往生際は悪いらしい。
前に会った時にも見たことがあるジャンパーを着ていた。細かいチェックのジャンパー。着道楽のオトンが同じ服を着ているのを始めて見た気がした。
病室に着くと手鏡を持ったオカンがベッドの中で、髪を撫でつけているところだった。その日、オトンが来ると知っていたオカンは病人なりにめかしこんでいた様子で、うっすらと化粧している。
「おう。どうか?調子は?」
ベッド脇の丸椅子に腰掛けると、いつもと同じ台詞でオカンを見て笑った。
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