双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(231)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
看護婦さんに話をして、広い洗面室を貸してもらった。その日は快晴で洗面室の小窓からはターコイズブルーの青空と東京タワーが額縁には嵌れた絵のように見える。
シートを敷いて椅子を置き、大槻さんの持ち込んだ道具を並べると、殺風景だった洗面室はまるで小さな美容院のようで、看護婦さんや他の患者さんが覗きに来ては「まぁ気持ち良さそうねぇ」と声を掛けていく。
食欲もなく、点滴を打ちながらのことだったけれど、女の人の気持ちというのはこうしたことだけでも元気や勇気がでるものらしく、その時のオカンの顔はとても晴れやかで、まるで病気のことなど忘れてしまったかのようだった。
ボクはその様子を隣で眺めながら、何枚か写真を撮った。ファインダーの中には、元気だった頃と同じ表情のオカンがいた。
オトンとオカンが別居してからこれまで、ボクは何回オトンに会っているのだろう。子供の頃は小倉のばあちゃんの家に泊まるたび顔を合わせていたけれども、それは何日くらいあったのだろう?卒業などの節目にあたればオトンなりの父親的発言をするためにやって来た。
そして、今はオカンがガンで入院するたびに会うことになる。この七年間、オカンの病気事以外で話をしたこともない。
別居して三十年以上、戸籍だけとプラスアルファの夫婦関係と親子関係。その紙一枚だけで繋がっている家族という間柄(あいだがら)を一番強く意識していたのは、もしかしたらオトンなのかもしれない。
ボクの進路やオカンの病気。父親、夫として最低限の役割、その義務だけは果たそう、やらなければならないと強く思っているのだと思う。
小倉から東京に来れば少なくとも一週間は滞在する。その間の仕事はどうしているのだろうか。事務所の電話がいつも転送されていることを考えると、以前のように派手にやっているのでもないようだ。
オトンはいつも、なにをしているのだろうか?その疑問はボクが子供の頃から持ち続け、解明することのない謎だった。それ以前に、どこで、誰と住んでいるのかさえ知らない。電話番号さえ、最近知ったくらいなのだから。
そして、今回も上京するにあたって直前に連絡してみたところ、その電話越しの第一声はオカンの病気を尋ねるでもなく、こういう台詞だった。
「リアップでのォ、毛が生えたぞ」
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