双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(263)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
通夜も葬儀も葬場ではなく、この家でやりたいと思った。もうオカンを他の場所へ連れて行きたくない。契約は済ませて鍵も持っているものの、蒲団や机以外になにもないこの家。かえって、そのなにもないことが葬儀をするにあたって便利に働くというのも皮肉なものだ。
「お母さまは、大変穏やかなお顔で眠っていらっしゃいますね」
葬儀屋の中年男性はそう言い残して、その日は帰って行った。
オトンは煙草を吸いながら家の中を見て周り、台所で立ち止まると言った。
「こんだけ広い台所があったら、なんでも作れるけん、そりゃお母さん喜んだやろうの……」
なにもない和室にオカンが寝ている。服の内側にドライアイスを装着(そうちゃく)され、鼻の穴に脱脂(だっし)棉を詰められている。でも、その表情は葬儀屋の人が言ったようにどこか落ち着いて、笑っているように見えた。
ミッチャンやbj夫婦、えのもとやホセたちが掛け付けて、オカンの顔を見るなり、泣き出した。ミッチャンは傍でずっと「栄子ババ、苦しかったやろ、かわいそうに……」と何度も繰り返しながら大声で泣いた。
夜になってみんなが下の階で酒を飲み始めてもボクはオカンの隣でずっとその顔を見ていた。
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