双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(277)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
本当に死んどるんやろうか!?火が入った途端に生き返ったっていう人の話を聞いたことがある。もし、そうなってたら、そうやって気付いてあげたらいいのだろうか。生き返っとるかもしれんやろ!ちょっと、一回、火止めて確認してくれ。生き返っとるかもしれんのやけん!生き返っとるかもしれんのに燃えてしまいよる!!
しばらく別室で待たされた後、火葬場に戻ると棺柩もオカンの身体も表情も花札も、なんにもなくなった鉄製の板の上に、白くてバラバラになった骨が、石灰みたいに残されているだけだった。
係員は散らばった骨をスコップで集めながらひとつにまとめて「お年のわりには、きれいに骨が残っていますよ」と、良く判らないことは言った。
「ここが喉仏です。ほら、こうやってみると仏さまがあぐらをかいているように見えるでしょう」とオカンの骨を汲み合わせて説明を始めている。
さっきまでここにあったオカンの身体が、こんなに小さくなっている。この割れた陶磁器の破片みたいなものが、本当にオカンなのだろうか。
ボクは、そのひとかけらを指でつまんで口に入れた。周りの人が変な眼でボクを見た。オカンの骨は思っていたよりもずっと硬かった。何度噛んでも細かく砕けることがなく、卵の殻のようにいつまでも口に残る。
住職の話を聞きながら、ボクはずっとオカンの骨をボリボリと口の中で噛んでいた。身体の中に入れておきたかった。
骨壷(こつつぼ)に納められて小さくなったオカンと家に戻ると、身内の人だけが残っていて、静かにボクたちを待っていた。
葉桜の揺れる春の日に、白百合の香りを強く漂うこの家。おばちゃんの入れてくれた緑茶を飲みながら、箱の中に入って帰って来たオカンをみんなで静かに眺めた。
「最後に、喪主様から御親族の方々にひとこと御挨拶を」と葬儀社の人から言われた時、ボクはオトンを指差して言った。
「それは、父から……」
「では、お父さま。お願いします」
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