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双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(261)

时间:2012-09-21 11:18:11  来源:可可日语  作者:ookami

    东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。

ベランダからウサギのパンがこっちを見ていた。キャリーケースに入れて、ワンピースと一緒に病院へ戻った。
お気に入りのワンピースを着せられて目を閉じたままのオカンが霊安室に運ばれる。医師や看護婦、ボクとオトンとパンがオカンを囲んで簡単な儀式を受ける。
いつの間にか葬儀屋の人が駆けつけていてこちらの感情とは関係なく段取りだけが進む。霊安室のすぐ横にある扉にはワゴン車が付けてあり、オカンの遺体はそれに載せられた。葬儀屋が運転をして、助手席にボク、後部座席にオトンが乗った。
これから、中目黒の新居に一緒に帰る。人けのない通用口から車は発車し、それを見送りながら、もう二度と会うこともないだろうベテランの看護婦はあくびをしながら伸びをした。
「遠回りなんですけど、笹塚を通って中目黒に行ってもらえますか」
葬儀屋はわかりましたと言って進路を変更した。
"ずっと家に帰りたいって言いよかったろ。笹塚に寄ってもらうけん、見て行き"
高速道路を幡ヶ谷で降りて甲州街道沿い、雑居ビルの前に到着した。オカンとボクの家だ。
"オカン、帰って来たよ"
そして、路地裏に車を誘導して、オカンの好きだった遊歩(ゆうほ)道を徐行した。まだ、葉桜には少しだけ花びらが残っていて、薄桃色の絨毯を敷き詰めた遊歩道は、風が吹くたび、波飛沫のように花びらを吹き上げている。
「いい天気やのぉ。お母さんも喜びよるやろう……」
オトンは呟いた。
昨日まで、なんでもなかったその風景が今では、かけがえのない思い出の場所に映る。オカンの好きだった桜並木をスローモーションで車が通り過ぎてゆく。

「オカン、ここが新しい家よ……」
オカンと一緒に住むつもりで借りた家。オカンが喜ぶと思って借りたこの家。
オカンはその家の玄関を数時間前に初めて会った葬儀屋の人に担がれながら入って行った。
オカンの部屋。三階の和室に蒲団を敷いてオカンを横にすると身体にドライアイスを入れるので席を外してくださいと言われる。

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