双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(279)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
「お母さんは、月が欠けとる時に死んだのう。人は満月の時に生まれて、三日月に死ぬちいうからのぉ……」
初七日までは線香を絶やさんごとおってやろうと、オトンはあれから毎日、朝早く起きてろうそくを灯し、線香の煙が途切れぬようにしている。そして、何度もオカンの死んだ日の月のかたちについて口にした。
藤川の作ってくれたポスターは赤ちゃんのボクを抱いたオカンが、小倉の家の玄関の前で微笑んでいる写真。そのモノクロ写真に「LUNAR DESTINY(月が決めた運命)とタイトルがデザインされた。それを印刷屋さんがb倍サイズに刷り出してくれた。壁に大きく貼られたそのポスターを指差して、ボクはオトンに言った。
「この写真撮ったのは、オトン?」「そうやろうなぁ。小倉の家の前やろう」
「この後、オトンが玄関を足で蹴り破っとるんよ。この時はまだ前の玄関やけど」
「そんなことがあったかのう。もう、昔のことはどんどん忘れてしまいよる……」
ボクはオトンに聞いてみることにした。「この、オカンが抱いとる赤ちゃんはオレ?」
「そりゃそうやろう。他に誰がおるんか。まだ、オマエが生まれたばっかりの頃や」縁側で住処が三倍に広がったパンが飛び跳ねている。
「ウサギの心配ばっかりしよったけど、自分の方が先に死んでしもうた……」月の本で読んだことがある。月にウサギがすんでいるという話は日本だけのものではないらしい。
不思議なもので、インドにも、アフリカにも、月に住んでいるウサギに関する寓話が残されている。アフリカで放されている月とウサギの話。月に仕えていたウサギはある時、地上へ伝令するよう仰せつかる。
「人間が死ぬことを恐れている。地上に降りと、人間たちにこう言いなさい。死ぬことを恐れなくていい。もうおまえたちは死ぬことはない。死んでも生き返る。永遠にいき続けるのだと。言ってやりなさい」しかし、ウサギは失敗をする。
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