双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(295)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
カウンターにオトンが座るとママらしき人がボクに挨拶をした。大学生の時も、ボクはここに連れて来られたことがあるらしい。久しぶりですねと言われたが、よく憶えていない。
「しかし、東京でいろんなお母さんの話を聞いとると、お父さんの知らんお母さんがいっぱいおって、なんかピンと来んたい……」
オトンの記憶、オトンのイメージの中にあるオカンはどういう人だったのだろうか。子供の頃のオカンはとてもおとなしく、物も言わない子だったとおばちゃんは言っていた。
オトンの中にあるオカンも、東京のみんなが言うような明るく積極的な人ではないのだろう。
四十九日の時、タコ社長にこんな話を聞いた。
「ママンキーが言ってたんだけど、東京に来て一年目の時はマーくんが色んな所に連れて行ってくれて、おいしいもんをいっぱい食べさせてもろうた。あたしはあの一年で親孝行は全部してもろうたと思うとるって。だからその後は、気にさせなくていいように自分で渋谷区の老人サークルに入って友達作ったり、色んな所に出掛けて知り合い増やしたりしてたんだって……」
ボクだって、もしかしたらオカンのことを本当はよく知らないのかもしれない。
「もう、酒も量はほとんど飲みきらんのぉ」
ブランデーを飲みながら呟いている。
「お母さんは東京で飲みよったんか?」
「ほとんど量は飲まんけど、なんかしらん、いっつも誰かしら来とってワイワイ騒ぎよったよ」
「まぁ、若いもんと一緒におった方が老けんでよかろうなぁ。お父さんは友達はどんどん死んでいきようるし、麻雀(まーじゃん)するっちゅうてもせいぜい半荘四回やな。それも仲のいい友達が去年かみさんに死なれてから、落ち込んでしもうとるんよ。そいつの唯一の趣味が麻雀たい。そいつに付き合うてするくらいで、自分ではもうあんまりしようごとないのう」
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