双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(258)
东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。
「そうやったん。のど渇いとったんやね。苦しいんやろ、心配せんでよかよ。オレもオトンも来とるんやから」
オカンはじっとボクを見ている。一生懸命なにか言おうとしている。顔をしかめて、苦しさと痛みと戦いながら、くちびるを働かしてなにか伝えようとしている。
声を出そうとしても、声にならない。ボクはオカンの手を強く握りしめ、もう片方の手のひらでオカンのお腹を撫でた。
「なんて言いよるん?どうしたん?」
呼吸が引きつる。言いたいことが言えずに歯痒いのか、息が苦しいのか、オカンは眉間に深く皺(しわ)を刻んで、貫(つらぬ)くような瞳でボクを見つめながら、必死に口を働かしている。
「オカン……!なんて言いよるん!?」
ボクはもっと強くオカンの手を握って顔を近づけた。
訴えかけるような目で、最後の力を振り絞り、オカンになにか言おうとしていた。小さく働くことしかできないくちびる。音にならない言葉。オカンの中では、これ以上にない大声で、オカンはボクに、最後になにか言おうとしている。
でも、それが、なにを言いたいのかボクにはわからなかった。今際の際にオカンが伝えたかった言葉。ボクはそれを聞き取ってあげることができなかった。そんなボクの様子を見てオカンは、息も絶え絶えに瞳と表情と働かなくないそうなくちびるで、あきらめることなく、なにか、ボクに残そうとしている。
ごめん、オカン。なんて言いよるかわからんのよ。でも、わかるよ。わかるけん。オカンの言いたいことはようわかる。心配しなさんな。もう、オレのことは心配せんでよか。こげな、自分が死にかけよる時なのにから、人の心配ばっかりしよってから、少しは自分の心配せんね。わかっとるけん。わかっとるよ。もう、そげ苦しいとにから、なにもいわんでよかたい。オカン……。
「わかった。そうね……。わかったけん。心配せんでよかよ……。オカン……」
ボクはオカンに言った。
オカンはそれを聞くと、くちびるを働かそうとするのをやめた。
そして、ボクはじっと見た。きれいな目で見た。ボクは少し安心してオカンに笑顔を見せた。オトンもオカンに顔を近づけて名前を呼びながら、笑って見せた。
大丈夫やけん、オカン。心配しなさんな。ボクは心の中から、オカンに語りかけた。
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