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双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(259)

时间:2012-09-20 11:51:53  来源:可可日语  作者:ookami

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    东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。

その時。
 オカンのくちびるが一瞬、なにかを言おうとして開いたと同時に、ボクの握った手を痛いくらいに握り返した。
 するとオカンが目をこぼれるくらいに見開いて、上半身を、強い力で起き上がらせた。どこにそんな力が残っていたのだろうかと驚くほどに腹筋を使って、硬い弓を引くように胃を持ち上げた。
 ボクの手を潰れるくらい握って、身体を起こそうとした。
 オカンの見開いた目がボクに近づいて切ない口元をした。
 「オカン!!」
 「栄子!!」
それからオカンは海岸の砂山が引き潮でゆっくりと崩れてゆくように倒れて、握りしめたボクの手から力を抜いていった。
「オカン……?どしたん……?」
心電図のグラフが、長い信号音に変わってテレビドラマのようにまっすぐな線が描いた。
「オカン……?ねぇ……?そうやろ?」
医師がペンライトをオカンの瞳に当てる。聴診器をあてがい、脈拍を取ると自分の腕時計を見て頭を下げた。
「午前七時三十分。ご臨終です……」
決まりきった言葉と一緒に看護婦も頭を下げた。
「……。オカン……。オカン……」
呼んでも、揺すっても、オカンは働かなくなった。
医師たちが退席した病室で、ボクはずっとオカンを呼んだ。
「……。オカン?ねぇ、オカン……。苦しかったやろ。よう頑張ったね……」
オトンが病室から、ゆっくりと出て行った。ボクはオカンの髪を撫でて、汗を拭いて、くちびるにキスをして、抱きついて泣いた。まだ、こんなに温かいのに、それで死んどるなんて、なんかようわからんけど、オカンはなんも働かんようになった。
でも、もう、あんなに苦しまんでいいのなら、それは、あれやし……、オカンの顔はその時、本当に穏やかで、一生懸命生きようとした人やから、こういう顔で眠れるんかもしれんし、オカンは本当によく頑張ったと思う。本当に頑張った人の美しい顔やった。
二〇〇一年四月十五日。

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