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双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(283)

时间:2012-10-12 11:28:40  来源:可可日语  作者:ookami

    东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。

開けるのが怖かったけれど、オカンはボクに残した箱。
  "オカンが死んだら開けて下さい"と書かれた粗末な紙箱を開けることにした。
 中にはいくつかの封筒や小箱があった。
 紫色(むらさきいろ)の新しい小箱には新品の数珠が入っていた。自分の葬儀で使えるようボクに買っておいてくれたのだろう。きれいな房の付いた立派な数珠だった。
 平版な長方形の小箱には、箱の上からマジックで「古いお札」と書かれてある。
板垣退助の百円札が一枚。岩倉具視の五百円札が五枚。伊藤博文の千円札が四枚。聖徳大子(だいご)の五千円札が一枚。
そして、天皇御在位六十年記念に発行された壱万円銀貨が一枚。
この箱は何度か見たことがある。オカンはなぜか古い紙幣や発行枚数の少ない年に作られた硬貨を集めていて、子供の頃、古銭を集めていたボクに時々、見せてくれていた。
ボクが欲しがっても「あんたは渡したら使うてしまうけん、持っとってやる」と言ってくれなかった。この他にも板垣退助の百円札を帯封付きの新券で一万円持っていたのだけど、何年か前、ボクの友達のお祝いの時にそれを上げていたから、ここにはない。
「いつかあんたにやる」という約束を覚えていてくれたのだろう。ボクが一番欲しかった岩倉具視の五百円札の古いデザインの札も、ちゃんと一枚取ってあった。
茶封筒には表書きにこう書いてある。
「オカンの通帳と印鑑が入っています。四月二十五日に十年前にしていた定額貯金が満期になり五〇七五七〇円が入金になります。貯金証書には二十万円あります。第一勧銀にも少しある。みんな解約してあとのことに使って下さい」
たいしたお金も渡してこなかったのに、その中でどうやって貯金をしていたのだろう。ボクのために加入していた生命保険証も入っている。どうやって毎月、それに払えていたのだろう。

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