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双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(284)

时间:2012-10-12 11:28:42  来源:可可日语  作者:ookami

    东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。

郵便局の通帳は国際ボランティア貯金になっていた。これは利息が自動的に海外の協力団体に渡る仕組みになっていて、開発途上国の人々のために役立てられているらしい。
通帳にはたいした額が納められていないから、毎月数円、数十円単位の利子しかついていないのだけど、ずっとボランティアをやりたい言っていたオカンはこういうかたちで自分にできる範囲のことを精一杯やっていたのだ。
毎日、隣街のスーパーの方がキャベツが五円安かったとか、玉子が十円安いとか、オカンがそう言うたびにボクは貧乏臭い話をしなさんなと不機嫌にしていたけど、オカンはそうやって、自分の足でテクテク歩いて浮いた五円十円を、こういうところで使いよったんやね。なんも知らんでから、ごめん。
この金、ボクはよう使いきらんばい。
自分の葬儀代も毎月三千円ずつの九十回払いでもう七十回くらい払うとった。自分が東京に来て、死んだ後、迷惑かけんごと気を使いよってから。なんで、そんなことばっかり気にするん。二十七万円。一番安い葬式のプラン。
オカンに言うたらびっくりしてかわいそうやけど、葬儀の請求書は二百万くらいになっとった。なんでもかんでもオプション料金になっとる。百合はオレが注文したけどね。
そやけど、お客さんもみんなええ葬式やったち言うてくれたし、金はなんぼでもいいんよ。オカンの一回しかない葬式やったらどんだけでも借金していいの出してやる。五百万でも、一千万でも、なんぼでもええ。
やけど、オカンみたいな年寄りが自分の葬式のためにコツコツ切り詰めて毎月三千円ばかしをひぃひぃ言うて払いよる。そういう年寄りの気持ちを互助会とか葬儀屋はどう思うとるんかね?
二十七万で人に迷惑かけんでええと思うて安心して死んどるのに、オマエらがそんな年寄りにわかりづらいボッタクリバーみたいな料金設定しとったら、あの世で恐縮するやろうが!!なんで死んどる人間に金のことで嫌な思いをさせるんか!?
でも、なんも心配せんでよかよ。あの葬式はオカンが自分で出した葬式や。立派なもんやった。金子ことは心配しなさんな。一番安いプランやけど、どんな派手な葬式よりも、ええ葬式やったよ。

もうひとつの茶封筒用紙は厚く膨れている。表書きには「雅也の名前の由来」とあった。

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