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双语阅读:【日本经典小说连载】东京塔(286)

时间:2012-10-15 11:10:57  来源:可可日语  作者:ookami

    东京塔这部小说从“我”一点点长大,一直写到“我”目送着母亲因病去世,各种生活细节每每令人感同身受,因而赚取了读者大把的眼泪,也当之无愧地成了哭泣小说的首席代表。

「なんを心配しよるとね?当たり前やろうが」。このかぴかぴのへその緒を見ていると、オカンがボクにそう言っているような気がした。
最後に箱の底から出て来たものは、手のひらほどの大きさのメモ帳だった。
百円ショップで売っているようなビニールカバーのついたメモ帳。そのビニールカバーに紙が一枚挟んであって、そこには「ママンキーのひとりごと」と書いてあった。
これがオカンの遺書だった。

マー君
長い間どうも有難う
東京の生活はとても楽しかった
オカンは結婚には失敗したけれど
心優しい息子に恵まれて
幸せな最後を迎えることが出来ます
小さい頃は泣虫で病弱だったので
神仏にお願いする時は先づ健康
そして素直な子に育つように
長じてからはやはり健康が一番
それから商売繁盛(はんじょう) 最近は欲張って
彼女と二人分の交通安全を祈願しています
ただ一度たりとも
自分のことをお願いしたことはありません
これから彼女と楽しく仲良くして下さい
彼女はほんとに実の娘のようだった
お母さんお母さんと甘えてくれるのが
とてもうれしかった
オカンは幸せな幕引きが出来て
何も思い残すことはありません
ほんとうに有難う
そして さようなら

これからも健康には充分気をつけて
決しておごることなく
人の痛みのわかる人間になっておくれ
中学校の時の伊藤先生が
中川君は男の子にも女の子にも好かれていますと
言われたことがうれしかった
勉強の出来る子より
そういう人間になってもらいたかったから

先ず 中村のおばちゃんに知らせておくれ
そして みんなにも言ってもらうように
オカンの私物の後片付けは
ブーブおばちゃんに頼んでいます
旅費をあげてね
         オカン
 
 メモ帳の上に涙がボタボタ落ちた。歯を食いしばっても声がこぼれて大声で泣いた。
 淋しさと悔しさ。申し訳ない気持ちが胸の中で張り裂けるようだった。事務的なことが次のページに書き足してある。

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