《伯爵与妖精》卷九第二章想念的人是谁2
そうして仕事部屋にこもった彼女は、さっき見た石に刻まれていた記号を思い出しながら書き写すことに専念すると、よけいな考えを頭から追い出した。
来到工作室的她,专心致志地回想着刚才看到的刻在石头上的符号,并把它写了下来,努力从大脑中赶走那些多余的想法。
かつてエドガーは、何度も同じ夢を見た。
爱德格曾经时常做着同一个梦。
プリンスのもとを逃れてきたはずなのに、目を覚ませばまたあの、牢獄(ろうごく)のような建物に監禁(かんきん)されているという夢だった。
明明已经从王子身边逃脱了,然而睁开眼睛看时,又被囚禁在那个像监狱一样的建筑物里的梦。
豪華な部屋だった。公爵家(こうしゃくけ)の子息としてエドガーが暮らしていた、荘園邸宅(マナーハウス)の一室にも引けを取らない、重厚なオークの家具に囲まれていたけれど、絹織りのカーテンの向こう、窓という窓には鉄格子(てつごうし)がはまっていた。
那是一间豪华的房间。与公爵之子爱德格从前生活的庄园宅邸毫无二致,环绕着沉重的橡木家具,不过在丝绸窗帘的后面,所有的窗户上都嵌着铁栅栏。
外をのぞき見ても、高い石塀(いしべい)があるほか何もわからなかった。
朝窗外看去,除了高耸的石墙以外什么都看不见。
いつも建物のどこからか、悲鳴やうめき声のようなものが聞こえていた。
总是听到从这幢建筑物的某处,传来哀鸣和呻吟般的声音。
プリンスは、夜にしか現れない。闇(やみ)を押し分けるかすかな明かりこそが、彼の存在感を際だたせ、畏怖(いふ)をいだかせると知っているからだ。
王子只在夜晚出现。因为他知道黑暗中的微弱灯光,可以突出他的形象,使人更加畏惧。
そしてプリンスは、あらゆる手を使って、エドガーの心をさいなんだ。
王子就像这样使用所有手段,折磨爱德格的心灵。
中でも最悪だったのは、小さな希望をいだくたび、それをたたきつぶしていくというやり方だ。
其中最恶劣的手段,就是每次让他抱有小小的希望,然后再打碎。
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