《伯爵与妖精》卷十二第三章学者与妖精-世界尽头之岛9
オークニー諸島から嫁(とつ)いできた彼女は、結婚式の日に父とはじめて対面したという。それはめずらしいことではないけれど、この家の、妖精との深い関わりもチェンジリングのことも、何も聞かされずに嫁いできて、子を失った心の傷は深いに違いない。
据说她是从奥克纳群岛嫁过来的新娘,在婚礼当天才与父亲第一次见面。虽然这样的事并不稀奇。但她在出嫁前对这个家族与妖精的渊源和交换之子的事一无所知。那颗痛失爱子的心一定伤痕累累吧。
アウローラにとってはやさしい母だけれど、編んでいるレースは、妖精界にいる娘のためだと親戚の噂話(うわさばなし)に聞いた。
对奥萝拉来说她是个慈祥的母亲,但这幅花边却是为了身在妖精界的女儿编织的。
十九年にいちど、月が地平線をすれすれに動くとき、妖精族が集(つど)うストーンサークルに置いておけば、取り換えられた子の元に届くという。
因为母亲从亲属那里听到了谣言,说是每隔十九年当满月接触地平线的时候,如果在妖精族聚集的石头圈里预先等候,就能领回被交换的孩子。
本物の"アウローラ"が無事成長し、嫁ぐ日を迎えるようにとの祈りを込めて少しずつレースを編み続けている。
祈祷真正的"奥萝拉"能平安成长,并迎来她出嫁之日的心愿,一点点地倾注在这幅持续编织的花边里。
アウローラがいなくなっても、取り換え子が戻ってくるわけではないが、この先一族の誰かが母になるとき、この習慣に疑問を持ち、異を唱(とな)えるきっかけができればいい。取り換えられた子供もつらいのだから。
可如今奥萝拉也要走了,被交换的孩子却仍然无法领回。虽然她并不十分相信这个谣言,也还是为母亲抱着一线希望。因为与奥萝拉交换的那个孩子其实更加命苦。
足音をたてないようドアのそばを通り抜け、アウローラは外へ出る。庭を横切って、白い垣根(かきね)に沿(そ)って歩く。ほどいたままの髪を風がさらった。
奥萝拉蹑手蹑脚地走出后门来到外边,横穿过庭园,沿着白色的篱笆向前走去。她解开长发任它随风飞舞。
わずかな牧草地に家畜の群(むれ)、泥炭(ピート)の積もった荒野、緩(ゆる)い起伏しかない大地、沈まない陽(ひ)も、ほとんどが曇(くも)り空に隠(かく)れている。そんな島の風景を目に焼きつけようと、ゆっくり歩く。
草场上零星点缀着正在放牧的家畜,泥炭沉积的荒野平缓地起伏,阴霾的天空大多被乌云遮蔽。奥萝拉走得十分缓慢,好像要把这个岛上的风景永远烙在心头。
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